第5回:茨城県庁

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本企画では、会員各位の外国人労働者受け入れ事例を紹介しています。

第5回でご紹介するのは、茨城県外国人材支援センターです。茨城県は会員として責任ある外国人労働者受け入れプラットフォーム(JP-MIRAI)に参加されています。

茨城県外国人材支援センターのウェブサイトは右記をご覧下さい。https://ifc.ibaraki.jp/

9月上旬に、JP-MIRAI事務局によりオンラインインタビューを実施しました。

<茨城県労働政策課 高野弘毅さん>

Q:外国人材支援センターを設立した経緯について教えてください。

茨城県外国人材支援センター(以下、「センター」)は平成31年4月に設立されました。

国において、新たな在留資格である「特定技能」が創設され、本県企業の人手不足の解消についても、外国人材等の活用が求められていますが、外国人雇用への理解不足や在留資格などの諸手続きの煩雑さ等から雇用に踏み出せない企業が存在するため、外国人雇用に関する制度の周知等を図り、外国人材活用を進めていくことが課題となっています。
外国人の方々に活躍いただくために就労支援や生活相談等一体的な支援を行うとともに、企業に対し外国人材の受入れに向けた支援全般を行い、就職マッチングや外国人材の県内定着を図ることで、継続的かつ安定的に人材・労働力を確保し、人手不足の解消、及び県内企業の発展を図るのが当センターの目的です。

外国人材の方が活躍するためには、企業において、適切な労働環境が整備されていることが前提になります。外国人材の受入れ経験が無い企業等に対し、茨城県外国人材支援センターのアドバイザーがサポートし適切な受入れ環境を整備した上で丁寧なマッチングを行うことで、外国人の方には「茨城に来てよかった」、企業の方には「外国人材を採用してよかった」と思ってもらえる好事例・モデルケースを発信しPRすることで、「選ばれる茨城」を目指します。

Q:外国人材支援センターの主な活動内容について教えてください。

① 企業支援の概要
外国人材と企業のマッチングは民間企業含む他の団体でも行われていますが、茨城県では、マッチング前に外国人材を雇用する前の環境を整備したり、就業した後の定着支援のサポートに特に力を入れています。
県内の多くの中小企業では、外国人材の受け入れ実績が無いことはもとより、職員の方が外国人の方々と接したことが無いため異文化に関する知見が無かったり、受入れにあたり必要な就業規則や労務管理などの環境整備に時間と費用がかかるなどの理由により、外国人材の採用まで踏み切れていないケースが見受けられます。特に外国人材を雇用する場合は、従事しようとする業務が、外国人本人が持つ学歴や職歴、経験などと一致していないと在留資格が下りない、という日本人の雇用には無いハードルがあります。

センターには、中小企業役員経験者や海外法人立ち上げ経験者、海外駐在経験者など企業支援スキルを持つ者が専門アドバイザーとして駐在しています。彼らが中心となり、県内企業に、事業内容や人材の充足状況、事業計画、外国人材に対する理解等をヒアリングし、従業員の方が働く現場を見て問題ないと確認した上で、外国人材の雇用を提案します。また、外国人材を雇うために必要な手続きや環境整備、在留資格制度を併せて伝え、外国人材の雇用は決して簡単ではないことも説明します。
在留資格や労務管理の専門的な知見が必要な場合には、定期的に無料開催している行政書士や社会保険労務士の相談会に参加いただき、就業規則改訂や雇用契約書作成、適切な労務管理などの支援を行います。
この他、外国人材を雇用してみたいという企業を開拓することも重要なミッションであることから、駐日在外公館や、JICAさんやJETROさんなどの海外に拠点を持つ公的機関などとも連携し、一流の講師陣を揃えセミナーを開催し、異文化理解や海外事情、外国人材の持つポテンシャル等を講演いただいています。
これらのサービスは、全て無料で行っておりますが、言い方を変えれば、外国人材支援センターは企業さんと対等な立場にあるということだと思います。外国人材の方々に活躍いただくために、我々センターは企業さんに整備いただきたい事項を繰り返しお伝えさせていただきますが、もしご協力いただけない場合には、支援をお断りさせていただくこともございます。

② 外国人労働者支援の概要
外国人の方は、就職活動に必要な情報を得るのが簡単ではなかったり、想定していた仕事と違っていたので離職したと、いうケースを耳にします。このため、センターでは県内企業の紹介や、県内視察ツアー、インターンシップの企画、県内企業との意見交換会などを開催し、企業と外国人材間のコミュニケーションを丁寧に行うことで、外国人の方に茨城県及び茨城県の企業を好きになってもらった上で就職いただき、ミスマッチの防止に努めています。
ある大学で留学生向けに就職ガイダンスを開催した際に、経済系の文系学生がIT企業でシステムエンジニアとして就職したいという方がいたのですが、在留資格があわないため就職できないことをお伝えしたことがあります。このようなケースは、非常によくあることですので、事例を交えながら、繰り返し、丁寧に説明していくことが重要です。

Q:ウェブサイトでは、ベトナム、インドネシア、モンゴル、ミャンマーを重点4か国に位置付けていらっしゃいますが、現時点でどちらの国籍の方と県内企業のマッチングが多いですか?

この4か国は、海外から外国人材を受け入れるにあたっての重点国であり、国内にいる外国人の方々であれば、特に国籍の別なく、県内企業とのマッチングに取り組んでいます。ちなみに、マッチング件数が多い国籍は、ベトナムになります。既にベトナムの方は日本国内にも沢山いらっしゃいますが、企業側にとってなじみがあったり、またベトナム人の留学生も多いことが理由だと思います。

Q:これまでにエントリー(もしくはマッチング)した外国人労働者は、どのような在留資格の方ですか?

本県がメインで支援対象としているのは、「技術・人文知識・国際業務」若しくは「特定技能」の在留資格で就職したい方になります。
ただ、昨年度は、コロナ禍の影響で実習が継続できず、雇止めになってしまった技能実習生に別の実習先を紹介するというサポートもしました。

Q:これまでにエントリー(もしくはマッチング)した企業・団体は、どのような業種・団体ですか?

県内でも企業数の多い製造業や、あとは人手不足の業種とされる建設業やIT業界が多くなっています。その他、数は多くありませんが、人材派遣業や小売業、官公庁などにおいてもマッチング実績があります。

Q:JP-MIRAIでは、会員企業・団体に、「責任ある外国人受け入れのための5つの行動原則」を実践して頂くよう呼び掛けています。下記の行動原則のうち、(1)~(4)について、特に気を付けていることや具体的な取り組みがあれば教えてください。

(1) 私たちは、外国人労働者の受入れに当たり、関係法令を遵守します。
(2) 私たちは、外国人労働者の人権を尊重し労働環境・生活環境を把握し、課題の解決に努めます。
(3)私たちは、働く場と生活の場の両方で、外国人労働者との相互理解を深め、信頼関係を醸成します。
(4)私たちは、日本及び国際社会の発展と安定に貢献するため、外国人労働者の能力開発に尽力します。
(5)私たちは、プラットフォームの取り組みを日本国内及び世界に発信していきます。

① 行動原則1‐法令遵守について

・相手国の法令を意識
本県が海外から人材を受け入れるに向けては、中央政府や地方政府、大学といった信頼できるカウンターパートと連携しています。連携を進めるにあたっては、覚書という公文書を取り交わしておりますが、当覚書の中で、相手国と日本、双方の法令に従って、適切なルートで、適切な人材を受け入れていくが明記されています。
仲介団体が労働者から徴収する手数料への対応については、例えばベトナムでは送り出し機関を経由しないと採用できない仕組みであるため、どうしても手数料が発生してしまいますが、もちろん、金額の妥当性や、何のために徴取する経費なのか等を確認し、他社の金額とも比較した上で、マッチングを行います。

・登録企業の法令遵守の確認方法
先にお伝えした通り、センターが企業支援するにあたり、外国人材の雇用を具体的に提案する前に、就業規則や雇用契約書、労務管理、同一労働同一賃金、居住環境などが適正であるか、確認いたします。もし、適切でない点が見つかれば、修正をお願いしますし、必要があれば当センターの行政書士や社会保険労務士の相談会に誘導します。
また、センターは既に働いている外国人労働者の方からも広く相談を受け付けており、もしセンターで対応できない問題であれば、出入国在留管理庁や労働基準監督署への相談をご案内しています。センターを利用して就職された方には、何かあれば相談するようご案内しています。

② 行動原則2-外国人労働者の人権尊重(労働環境・生活環境含む)について

・外国人労働者からのよくある相談事例と対応事例
センターが就職支援を行った外国人の方からではありませんが、「パスポートを取り上げられてしまった」などの深刻な相談が寄せられた際には東京出入国在留管理局水戸出張所を案内したり、残業代が支払われないといった相談には、労働基準監督所を紹介します。
企業からは、外国人労働者がごみの分別が理解できず困っている、音楽のボリュームが大きいなどの騒音、異文化理解の面のトラブルの相談が寄せられることもあります。こういった生活上のルールは、海外に暮らしていた方にとってはなじみがない場合が多いので、問題が発生してからではなく、事前に教える必要があります。特に、初めて外国人材の受入れを行う企業に対しては、外国人労働者を受け入れるということは、生活指導担当者を決めた上で、こういった生活上のルール順守も含めて、外国人の方へのサポート体制を構築する必要がある旨、ご案内しています。

③ 行動原則3-外国人労働者との相互理解について

・外国人労働者の言語サポート
せっかく茨城県を選んで働きに来てくれたので、少しでも日本語のコミュニケーション力を向上し、活躍いただきたいという思いで、本県は日本語学習支援e-ラーニングシステムを構築し、県内企業の担当者及び外国人従業員に無償で利用いただいています。このシステムでは、企業の管理者が、外国人従業員の学習状況を、例えば今月何回ログインし、総学習時間は何時間で、どれだけ学習が進捗したのか、などを確認することができる仕組みになっています。
ただ、課題もあって、このシステムを使って継続して勉強している方の数がアカウント発行総数に比べ少ないので、高いモチベーションをもって勉強を続けてもらえるようなモデルケースの創出に向け、今年度から伴走支援を始めました。

④ 行動原則4‐外国人労働者の能力開発について

・資格取得のサポート制度について
茨城県は、ベトナム・ロンアン省と外国人材の送出・受入れに関する協力覚書を締結しましたが、この覚書に基づき、県内介護施設で技能実習生を受け入れ、介護福祉士の資格取得までサポートし、茨城県及びベトナムの介護産業を支える介護人材を育成するプロジェクトをスタートさせました。ちなみに、外国人の方が介護福祉士の資格を取得すれば、「介護」という在留資格を得ることができ、更新すれば在留期間の制限がなく日本で就業を続けることが可能になります。

Q:外国人材支援センターはJP-MIRAI共同事務局のJICA(独立行政法人国際協力機構)と協働を行っていますが、センターとしてJICAに期待されていること、具体的に協働されていることにはどういったことがありますか?

2020年12月にJICAさんと茨城県の間で外国人材の送出し・受入れ分野での連携を目的とした覚書を締結いたしました。また、2021年2月からは、センターにJICAさんの国際協力推進員に駐在いただいています。JICAさんには、海外に多数の拠点をお持ちであり、また、途上国に対する長年の開発支援などを通して蓄積した海外の知見やコネクションをお貸しいただきたいと考えています。
これまでの共同の取組みで言うと、例えばJICAモンゴル日本人材開発センターさんと共催で、モンゴルと茨城県をwebでつなぎ、日本への就職に興味があるモンゴル在住のモンゴル人の方々に、茨城県の紹介や在留資格制度の説明をするとともに、茨城県で既に就業しているモンゴル人の方からのメッセージも配信しました。実際に、セミナー参加者から茨城県で就職したいので支援してほしい、という依頼もいただきました。
コロナ禍の渡航制限によりセミナーや就職面接会を対面で開催するのは困難ですが、オンライン環境をフル活用し、JICAさんの海外拠点と連携しながら、コロナ終息後にスムーズな受入れ体制を整えることができるよう取り組んでいきたいと考えています。

Q:JP-MIRAIに貢献できること、期待していることなどございましたら、教えてください。

JP-MIRAIさんには、会員さんにおける先進的な取り組みや優良事例を横展開してくださることを期待しています。他県を見ても、行政が外国人材の受け入れ促進に着手し始めたのはここ数年であり、どの自治体も手探りの状況かと思いますので、是非参考にさせていただきたいと考えております。

茨城県外国人材支援センターと協働されている、JICA筑波センター渡邉所長からも次のようなコメントをいただきました。

JICA筑波センターでは、2020年12月に茨城県と、外国人材の育成、送出し、受入れ等に関する連携強化に向けた覚書を締結し、以下の取り組みを推進しています。

・外国人材の茨城県内企業への受入れ促進

・外国人材の県内企業への受入れに必要な各種イベントの開催

・途上国の開発に資する県内企業の海外展開支援やグローバルな産業人材の育成

・外国人材と茨城県民との相互理解の促進及び茨城県における共生 等

開発途上国の開発を支援するJICAにとっては、外国人材受入れ支援という活動自体が新しい取り組みで、どのようなことが求められているのか、何をどのように支援できるのか、悩みながら手探りでいろいろな事例を積み上げています。

JICAの目的である「開発途上国の開発を支援する」というところに立ち返ると、来日された方が茨城県で活躍されるだけではなく、母国に戻った後に母国の発展のために活躍できることが大切であると考えています。そのため、今後は茨城県内企業の海外展開支援等も含めて、来県された外国人材の方が母国でも活動される循環型の支援を進めていければと考えています。

茨城県庁高野様、JICA筑波センター渡邉所長様とも、お忙しい中長い時間をこのJP-MIRAIの取材のために割いていただきました。この場を借りて感謝申し上げますと同時に、JP-MIRAIとしても皆様の意見をきちんと今後の活動に活かしていきたいと思います。

<取材執筆協力 株式会社クレアン 秋山映美・原田宏美>

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本企画では、会員各位の外国人労働者受け入れ事例を紹介しています。 第10回でご紹介するのは、株式会社ジェイサットです。株式会社ジェイサットは企業会員としてJP-MIRAIに参加され、2021年度上半期活動報告会ではご発表もいただきました。 株式会社ジェイサットのウェブサイトは右記をご覧下さい。https://www.j-sat.jp/ 1月上旬に、JP-MIRAI事務局によりオンラインインタビューを実施しました。株式会社ジェイサットからはミャンマー、日本双方の事務所よりインタビューにご参加頂きました。 <株式会社ジェイサット ゼネラルマネージャー 森川晃さん> Q:株式会社ジェイサットについて教えてください。 株式会社ジェイサットは1998年に設立されました。もともと日本企業のミャンマー進出支援から始まった会社ですが、ミャンマーに進出した企業が現地で経験豊富な人材を確保することに悩んでいたため、クライアント企業のサポートのためにミャンマー人の人材紹介事業も始めたのです。今では当社はミャンマー進出日系企業の8割に利用頂いており、毎年は5000人以上の人材を日系企業に紹介させて頂いています。日系企業向けミャンマー人材紹介会社では最大手の会社になります。 ミャンマー人材を日本企業本社に送り出しする事業を始めたきっかけは、ミャンマーに進出するクライアント企業から「日本でミャンマー人材を教育し、その後ミャンマーの支社に送り込みたい」というニーズを頂いたのでそれに答えたものです。既存の外国人労働者の送り出し機関を模倣したものではないので、当社の取り組みにはユニークな部分が多くあると思います。 実際、当社はミャンマーにベースを置く会社として、従来の技能実習だと帰国した後ミャンマーで活躍できる能力が身についていないことに違和感を抱いていました。当社から、日本企業の新しいミャンマー人採用モデルを作れればと思っています。 Q:JP-MIRAIでは、会員企業・団体に、「責任ある外国人受け入れのための5つの行動原則」(https://jp-mirai.org/jp/code-of-conduct/)を実践して頂くよう呼び掛けています。下記の行動原則に関連する取り組みを教えてください。 行動原則3「私たちは、働く場と生活の場の両方で、外国人労働者との相互理解を深め、信頼関係を醸成します。」の実践をしています。具体的には下記のとおりです。 日本企業で働きたがるミャンマー人材は多いです。しかし、実は「日本企業の考える当たり前」と「外国人労働者(当社の場合はミャンマー人材)の考える当たり前」には大きなズレがあります。 この「ズレ」を放置したままでは外国人材が日本企業で安心して働くことはできず多くの問題が生まれてきます。当社では、この「ズレ」を解消しミャンマー人材が長く安心して日本企業で働いてもらえるようにいくつかの「モデル」を作っています。 まず、「キャリア達成シート」を企業に作ってもらいます。下記は一例です。 上記は介護の技能実習生のキャリア達成シートの一例です。大事なことは、外国人材に何を求めるのかを企業に明確にしてもらうことなのです。往々にして技能の技術面を磨けばいいという外国人材の思いに対し、日本企業は身だしなみや時間管理などを求めることが多く、そこにズレが生じます。企業がキャリア達成シートを用意し、外国人材と目標をすり合わせることでズレが解消されるのです。 こういったキャリア達成シートを自社で用意している企業もありますが多くの中小企業は自分では用意していません。そのため当社が企業と一緒に外国人材のためのキャリア達成シートを作成していきます。 更に、企業に必ず作成をお願いするのが「キャリアパス」です。 上記も介護の技能実習生のキャリアパスの一例になります。日本で初めて働く外国人材には「キャリア」のイメージがわかない人が多いのです。そういう人材たちに、日本で働いていく中でのキャリアのイメージを作ってあげるのが目的です。 現状技能実習の期間は最長5年です。この期間を終え特定技能の在留資格を持って外国人材が更にキャリアを重ねていくときに、転職してしまう危険もあります。それを防ぐためにも、技能実習の受け入れ先の企業が、外国人材が特定技能の在留資格へと変更した後のキャリアを最初から提示する必要があるのです。 往々にして短期的視点の外国人材と長期的視点の受け入れ企業との間には視点のミスマッチが起きます。これを是正するため、当社は受け入れ企業と一緒になってキャリア達成シート、キャリアパスを作り、企業の外国人材に対する説明会の際には必ず提示してもらうようにしているのです。 外国人材が企業に内定した後も、企業に1カ月に1度の面談をしてもらっています。みなし残業などの規定がある場合はそれもすべて事前に説明してもらっています。 実は日本企業の課題として、日本人社員も若い人が辞めています。外国人材日本人材関係なく、人材に選んでもらう企業になるためには企業が社員のキャリアパスを明確に提示できることが必要なのだとも思います。 上記のキャリアパスをお願いした時、実は企業によって対応が違ってきます。 ①すぐ作る(日本人用にある)企業 ②ないけど今から作る企業 ③「そんなの必要ない」という企業 上記のうち③のような会社では、外国人材が本当にやめていくのです。もちろんキャリアパスを作ったからと言って人材の退職が100%なくなるわけではありませんが、外国人材から選ばれる会社や組織造りのためにも、上記のような取り組みを通じて、外国人材から選ばれる会社と外国人材採用に関するモデルを作っていきたいと思っています。 また、行動原則4「私たちは、日本及び国際社会の発展と安定に貢献するため、外国人労働者の能力開発に尽力します」の実践もしています。具体的には以下の通りです。 当社ではヤンゴンにて日本語学校「J-SAT ACADEMY」を運営しています。 <J-SAT ACADEMYの生徒たち> J-SAT ACADEMYでは、ミャンマー人材に「10ヶ月で日本語をマスターしてもらう」ことができる教育を行っています。テレビにも取材してもらいました。下記の動画をご覧下さい。 https://www.youtube.com/watch?v=Ubkj2bUhkyg&t=270s 日本語をちょっとだけ勉強して日本に行く技能実習生がいますが、それでは日本でコミュニケーションの壁にぶつかり技能実習の目的が達成できません。実習期間が終わってミャンマーに帰国しても日本企業への就職も難しいし、また日本に行って稼ぐかということになります。これでは技能実習制度の目的が果たされません。ですから、当社では外国人材が日本で働く前の日本語教育に非常に力を入れているのです。 Q: 日本の「外国人材受入企業」に今後求められていくことは何だと考えますか? 日本企業の「思い」だけを一方的にミャンマー人に押し付けてもうまくいかないです。きちんと通訳を通じてミャンマー人に思いを伝えつつ、ミャンマー人の思いも企業に伝え、彼らの気持ちを聞いて企業が「変わって」いかないといけないのです。企業が採用したミャンマー人をリーダーにしていき、彼らと一緒になって今後いろいろなことを改善していく。そういったミャンマー人リーダーが出てきたとき、企業は次の外国人材採用で経験を活かすことができ、いいミャンマー人材の循環ができてくると思います。 外国人材からホンネを聞き出すのは難しいです。当社では外国人材の育成期間中にメンターをアサインし、日本で就職した後もコミュニケーションを取り続けます。何かあった時には悩みを相談してもらい、その悩みをジェイサット日本事務所が共有して企業に伝えることにしています、1か月に1回、日本側の悩みもジェイサットヤンゴン事務所に共有しており、常に社内でもコミュニケーションをとりながら進めています。 ミャンマー人材の受入企業には、彼らの来日前に受け入れ企業に必要リスト(生活準備リスト)を作成してもらっています。 <来日準備リストの一例> 来日前にすべて企業に明らかにしてもらい、ミャンマー人材に伝えています。 Q. この1年間のミャンマー政変の中での貴社の体験、変化、その中で感じるミャンマー人材への想いを聞かせてください この政変は今後3-5年続くと思います。一番深刻なのはミャンマー人の教育です。日本をミャンマー人の避難と教育の場にしてほしいと思います。この状態が今後ずっと続くわけではないのでやがてミャンマーが再度成長カーブを描いたときにミャンマー人の教育に空白を作ってはいけないと思っており、日本企業にはミャンマー人材に将来につながる技術を教えてほしいと思っています。そして、ミャンマー人材にはそのための日本語の素養を得てもらうことが必要だと思っています。今後も日本とミャンマーがお互いを利用してほしいと思います。 Q:JP-MIRAIおよびJP-MIRAI会員に期待していること、貢献できることなどございましたら、教えて下さい 私たちが作った、日本企業が外国人材を受け入れるにあたってのモデルケースを、信用力のある所を通じて拡散していくことが必要だと思っています。皆さんにまねして頂くことによって、日本が外国人をよりよく受け入れることに貢献していきたいと思っています。それによって外国人に「日本に来てよかった」と思ってもらいたい、それが当社の願いです。 <インタビューを終えて> 株式会社ジェイサットの皆様には、お忙しい中長い時間をこのJP-MIRAIの取材のために割いていただきました。この場を借りて感謝申し上げますと同時に、JP-MIRAIとしても皆様の意見をきちんと今後の活動に活かしていきたいと思います。...

本企画では、会員各位の外国人受け入れ事例を紹介しています。 第9回でご紹介するのは、個人会員の大場孝弘さんです。京都にほんごRingsに所属する大場孝弘さんは個人会員としてJP-MIRAIに参加され、2021年度上半期活動報告会での発表で会員相互の投票にて優秀賞にも選ばれています。 https://jp-mirai.org/jp/2021/7375/ 大場さんの活動報告については右記のページの動画でも見ることができます。 https://jp-mirai.org/jp/2021/7660/ (「優良活動報告」の動画) 京都にほんごRingsのウェブサイトは右記をご覧下さい。https://www.kyo-rings.net/ 12月中旬に、JP-MIRAI事務局によりオンラインインタビューを実施しました。 <大場孝弘さん> Q:京都にほんごRingsの概要を教えてください。 京都にほんごRings(以下、Rings)は、京都府内で日本語教室を開いているボランティア団体のネットワーク型の組織で、2002年に結成されました。Ringsの主な活動は、地域の多文化共生を進め、情報共有・連絡調整を行うことです。3か月に1回会議と年1回の総会を行い、その時々のニーズに沿って、日本語の学習に関する技術の向上を目指しグループを作ったり、京都府の南北の違いなどの地域特性も踏まえ他教室の参考情報を提供したりしています。 日本語教室の対象や目的は団体や支援者により異なりますが、現在は教室を運営する23の団体と個人が加盟し、全員がボランティアで活動しています。2020年度の推定値では、約700人の支援者が延べ2万人の学習者に日本語の学習機会を提供しました。 公益財団法人京都府国際センターと協力し、今まで教室がなかった空白市町村での教室設置を目指して、新規教室の立ち上げ支援や日本語教師の養成講座に取り組んできました。2016年は18教室でしたが、その後、教室、支援者、学習者ともに増加しています。昨年は、新型コロナウイルスの影響で、以前から運営している教室関係者からは、「学習者・支援者とも減少している」と報告がありましたが、新規教室の増加によって全体的に増加傾向にあります。 <京都にほんごRings 教室データ 2018年度版> Ringsに加盟している団体・人は日本語を教えている方がほとんどですが、私自身はボランタリーな活動が目的を果たすための運営面をサポートしています。日本語教育以外の地域の特性や、多文化共生における課題を考えてもらう機会を提供する研修会の企画、自分の教室ではできないが会員から要望としてあがってくる取り組み(特に子どもに関わる活動)などのプロジェクトを進めてきました。 ここ2年間は新型コロナウイルスの拡大の影響で、私自身はオンラインツールの活用サポートが大きな役割となっています。 Q:加盟している日本語教室について教えてください。 歴史の長い教室では、国際交流の一貫として開いた教室や、英語などの媒介語を使った日本語学習をしていた教室もあります。日本語を使って日本語を教えるという、日本語教師の資格を持つ人を中心に開かれた教室もあります。 国際結婚や帰国者などを対象にした教室では、日本語学習とレクリエーションの機会の提供、暮らしの相談を行っているところもあります。最近は、学習者のほとんどが技能実習生という教室もあり、そこでは日本語能力検定対策のニーズが高くなっています。 教室の成り立ちによって支援者の参加動機や関心も異なり、日本語教育の手法に関心を持つメンバーは全体的に多いものの、技能実習生の増加に伴って、生活上の疑問や困りごとを聞くことに関心を持つ支援者が多い教室も生まれています。 Q:JP-MIRAIでは、会員企業・団体に、「責任ある外国人受け入れのための5つの行動原則」(https://jp-mirai.org/jp/code-of-conduct/)を実践して頂くよう呼び掛けています。下記の行動原則に関連する取り組みを教えてください。 ①各団体への支援・情報提供 2020年のコロナ禍により、それまで行っていた公共施設を利用しての対面での教室は実施できなくなりました。そこでRingsは、各教室へのオンライン会議支援、学習機会の提供、オンラインイベントを開催し、支援を行いました。 RingsでZoomの有料契約を行い、Zoom操作の基礎やホスト運営の勉強会を開き、関心を持つ個人を集めて「Zoom活用グループ」を作り、勉強会や、運営体験を交代で行う体験会、その他のオンラインツールの利用法等の勉強会を開いてきました。また、個別に受けた相談に関して、同じような関心を持つ方を集めたオープン相談会も開いています。 支援者の中にはオンラインに抵抗を持つ方も少なくないため、オンラインでの交流会を開き、オンラインツールの抵抗を減らす取り組みをしてきました。Zoomのブレイクアウト機能を使った9時間のオンラインの交流イベントを実施し、日本語を学ぶ部屋、運営を話し合う部屋などの他に、支援メンバーが趣味を披露する部屋など多様な部屋を開いて、参加者が自由に出入りする催しとなりました。 オンラインでの日本語教育の研修のほか、個人で参加できる日本語教育について学びあう機会を設けたり、京都府内のコロナウイルス関連情報を定期的にMLで流したりしています。 現在、Ringsのウェブサイトでは、ワクチン接種会場で困らないように、ワクチン接種会場における会話スクリプトを作成し、各教室で活用できるようホームページにて公開しています。(https://www.kyo-rings.net/link20/211006/) ②Ringsの取り組みによる各教室や支援者の状況の変化 コロナ禍により完全に活動を停止していた教室もありましたが、個人的な努力でオンライン学習を続けた教室や、オンライン学習に取り組み始める教室も生まれました。オンラインツールに抵抗を示す支援者の理解を得るために、Ringsの研修やイベントを活用された教室もありました。一番大きな変化は、交流会に参加した支援者たちに、これまでは対面でないと開催できないと考えていたパーティーや交流会が工夫をすればオンラインで実施できると感じていただけたことでした。現在は、年始の交流イベントの準備をグループのメンバーとも相談しながら進めています。 特に郊外の市町村では、1か所の教室で、広範囲をカバーすることは難しかったのですが、対応できる見通しが立ってきました。より多様なサポートが可能だと考える支援者が増えてきたことが大きな成果だと感じています。 ③Ringsの取り組みによる学習者の状況の変化 オンラインの活用によって、これまで時間的・距離的な問題で参加できなかった学習者の参加が増えたことは大きな変化だと感じています。教室までの移動の負担がなくなったことで、参加のハードルが低くなったという意見も出ています。 双方が運営に慣れていない場合も多いですが、慣れてくると、日本語の学習だけでなく会話の頻度も増えてきて、学習者としてだけでなく生活者としての面に関心を持つ支援者も生まれていると聞いています。 一方で、特に、技能実習生は、会社からWiFiの環境を提供されていない、学習するスペースがないなど、学習者の通信環境・学習環境が整っていない問題も散見されています。 Q:今後の活動の展望を教えてください これまでの学習者は国際結婚や帰国などで地域の中で日常的に生活をしている人たちでしたが、この5年で、支援者も不足するほど技能実習生が急激に増加してきました。一方で、国際交流から始まった日本語教室も多く、日本語を教えることにやりがいを感じているものの、技能実習生特有の深刻な問題など、当事者の課題に踏み込むことに躊躇されている支援者も多くいらっしゃいます。 これまで、個人的に解決しようにも制度がわからず対応に苦労し、辞めてしまうボランティアもいたため、日本語教育以外は行わない教室もありました。 現在では、外国人技能実習生の課題に関心のある教室運営者も増えてきているため、個人の日常生活のお悩みや課題解決について関心のある教室も増えてきています。 今までもRingsの支援者とは「地域の日本語教室は他の行政サービスでは把握できない外国ルーツの人に出会える場所」であるということを話してきました。 親密度や信頼度が増せば、学習者が困っていることを話すようになることも当然考えられます。教え-教えられるという関係でなく、支援者が学習者に対して、地域に一緒に暮らす人として関心を持ち、接していくことにより、そのような機会が増えてくると感じています。 支援者は問題を一人で解決するのではなく、行政機関やNPO、企業などへの橋渡し役を担うことができるのではないかと思っています。 外国にルーツがある人の現状を知ってもらうことができるような情報提供も続けていきたいと考えています。 Q:JP-MIRAIおよびJP-MIRAI会員に期待していること、貢献できることなどございましたら、教えて下さい 多様な立場の方の経験を伺うことができ、Ringsの運営を考えるにあたってとても役立っていると感じています。それぞれの立場により、どのようなことで困るのか、またどのようなことが得意なのかなどがわかると、お互いに協力できることが増えていくと思います。 課題別に問題改善のチームなどを作り、具体的な改善事例が生まれるとより参考にしやすくなるのではと思います。 <インタビューを終えて> 大場様には、お忙しい中長い時間をこのJP-MIRAIの取材のために割いていただきました。この場を借りて感謝申し上げますと同時に、JP-MIRAIとしても皆様の意見をきちんと今後の活動に活かしていきたいと思います。 <取材執筆協力 株式会社クレアン 秋山映美・原田宏美>...

本企画では、会員各位の外国人労働者受け入れ事例を紹介しています。 第8回でご紹介するのは、NPO法人トゥマンハティふくおかです。トゥマンハティふくおかは会員としてJP-MIRAIに参加され、2021年度上半期活動報告会ではご発表もいただきました。 トゥマンハティふくおかのウェブサイトは右記をご覧下さい。https://temanhati.jimdofree.com/ 11月下旬に、JP-MIRAI事務局によりオンラインインタビューを実施しました。 <代表理事 弥栄睦子さん> <トゥマンハティふくおかの皆様> Q:NPO法人トゥマンハティふくおかを設立した経緯について教えてください。 1997 年度留学生から学ぶ外国語「インドネシア語初級クラス」を受講したメンバーで、翌年インドネシア語学習サークルを設立しました。そこからインドネシア留学生や研修生と友達づきあいが始まり、現NPOの理事はこのメンバーが中心となっています。 1997年に起こったアジア通貨危機の影響により、インドネシアの通貨「ルピア」が暴落したことで、インドネシアでは経済的な理由から学校に通えない子どもたちが急増してしまいました。それを知った九州大学のインドネシア人留学生たちが、自分のお小遣いからインドネシア現地の子どもたちに支援を始めました。2002年には、留学生側から、チャリティ・イベントを開催したいので手伝ってほしいと頼まれ、『第1回インドネシア・チャリティ・デー』で、その活動をお手伝いするようになったことが団体設立のきっかけです。 2003年7月には、任意団体「インドネシアの子供の教育を救う会」を設立し、ほぼ毎年留学生と一緒にチャリティ・イベントを開催し、経済的理由などで通学を続けられない小・中学生へ奨学金を届けてきました。EPA(Economic Partnership Agreement=経済連携協定)で看護師、介護福祉士の方々が日本に来たり、技能実習生や大学の私費留学が増えたり、国内でもサポートをしなくてはならない人が増えてきたことから、2014年9月に名称を「NPO 法 人トゥマンハティふくおか」とし、特定非営利活動法人化しました。 Q:トゥマンハティふくおかの主な活動内容について教えてください。 トゥマンハティ(Teman Hati)とは、インドネシア語で『心の友』という意味です。日本に住んでいても、インドネシアに住んでいても、居住している国に関わらず、同じ権利を持って暮らせる社会にしたいという思いで名付けました。活動は国際交流、国際協力、多文化共生の三本柱で行っています。インドネシアの子供の教育支援に加え、福岡の国際化推進など、さまざまな活動を通して、地球市民ひとりひとりが「Teman Hati (心の友)」として安心して暮らせる真のユニバーサル社会実現を目指しています。 Q:外国人労働者支援の取り組みを教えてください 【職業性ストレス簡易調査票(57項目)多言語化事業】 EPAで来日していた看護師候補者と出会った際に、滞在期間中に国家試験に通らないといけないというストレスと、母国の家族に仕送りをしないといけないため身体的にも精神的にもいつも疲れていたように見えました。また、企業の受け入れ環境が整っていないことによるインドネシア人技能実習生のトラブルを実際耳にしており、メンタル面でもサポートが必要と感じていました。 国内で働くEPA看護師・介護福祉士候補者や技能実習生のため、簡易性ストレスチェック57項目を7か国語(カンボジア語、フィリピノ語、ミャンマー語、ベンガル語、タイ語、ネパール語、インドネシア語)に翻訳し、Webサイトにて無料で提供しています。 参照:https://stress-check-multilingual.jimdofree.com/ 2020年5月13日~2021年10月22日までの期間で、ページビューは3,635回(うちインドネシア語213、タイ語131、ミャンマー語115)でした。任意でご報告いただいたダウンロード件数は23件です。 検査後には、結果シートの翻訳、産業カウンセラーによる個別面談も受け付けています。 【インドネシア人人財サポート】 インドネシアに特化した強みを生かし、受け入れ準備から滞在期間中、帰国時まで、インドネシア人人財をさまざまな角度からサポートしています。 地域に暮らす外国人と住民が交わるきっかけが持てないことで、さまざまな問題が発生しているケースも見受けられます。まずお互いが文化や言葉について知識を持つことで仲良くなることができれば、就労トラブルなどのさまざまな問題を未然に防げるという考えの元、非営利団体という立場で支援を続けることが大切であると考えています。 多文化共生セミナーやワークショップの開催(受け入れ前の事前学習) 翻訳・通訳(ジャカルタ在住のメンバー) 日本語学習の機会の提供(日本語教師・日本語ボランティアの派遣) 【外国人と仲良く暮らすための多文化共生ワークショップ】 地域の方や同じ職場で働く方に、もっと外国人への理解を深めてもらう目的で、多文化共生についてのワークショップを実施しました。 <ワークショップのプログラム> 1. カードゲームを一緒に楽しんで、インドネシア人と仲良くなろう 講師:dopang株式会社(言語屋)代表 Tania Mirella氏) 2. やさしい日本語のコツを学んで、伝わる自己紹介をしてみよう 講師:「入門・やさしい日本語」認定講師 自見佳珠子氏 3. 「多文化共生ってなんだろう?」~事例を通じてみんなで考えるワークショップ 講師:JICAデスク福岡 国際協力推進員 鬼丸武士氏 4. インドネシアの基礎知識/プレゼンテーション 今回はインドネシア編として実験的にワークショップを実施しましたが、他の国でもアレンジできるプログラムにしたつもりです。今後バージョンアップを重ねて多方面に展開したいと考えています。特に、企業−従業員間のトラブルを未然に防ぐために、外国人材を受け入れている企業にもこのようなワークショップが有用ではないかと考えています。 【特定技能人材候補者との日本語交流会】 2020年度は新型コロナウイルスによる緊急事態宣言の発令等により、予定していた事業が次々と中止となってしまいました。その一方で、オンライン会議の利点を生かして、現地とリアルタイムに結びつきコミュニケーションを取るという新たな支援の可能性も見えてきました。 2021年3〜5月に3回にわたって、インドネシア、バリ州ジュンブラナ県ヌガラの認定送出機関で日本語を学ぶ特定技能人材候補者たち(参加者:インドネシア人14名、日本人11名)とオンラインで日本語交流会を行いました。日本側からは「日本の生活費の相場」「日本語上達のヒント」「日本で働くことの心構え」について話をしました(インドネシア語での通訳つき)。送出機関とタイアップしてこのような事前レクチャーをすることは大事だと感じています。 Q:JP-MIRAIでは、会員企業・団体に、「責任ある外国人受け入れのための5つの行動原則」(https://jp-mirai.org/jp/code-of-conduct/)を実践して頂くよう呼び掛けています。下記の行動原則のうち、(1)~(4)について、特に気を付けていることや具体的な取り組みがあれば教えてください。 (1)私たちは、外国人労働者の受入れに当たり、関係法令を遵守します。 (2)私たちは、外国人労働者の人権を尊重し労働環境・生活環境を把握し、課題の解決に努めます。 (3)私たちは、働く場と生活の場の両方で、外国人労働者との相互理解を深め、信頼関係を醸成します。 (4)私たちは、日本及び国際社会の発展と安定に貢献するため、外国人労働者の能力開発に尽力します。 (5)私たちは、プラットフォームの取り組みを日本国内及び世界に発信していきます。 (2)の外国人の人権尊重を意識しています。特に私たちは労働者に焦点を当てているのではないのですが、私たちのコミュニティの交流の中にインドネシアから日本に来て働いて生活している方々も含まれていると考えています。企業に積極的に提言をしていくような段階にはまだないと考えていますが、特定技能登録支援機関や企業と知り合いになるところから、まずは意見交換から始めていきたいと考えています。皆でお互いに知り合いながら仲良くなっていくことが自然な形ではないかと考えています。 Q:JP-MIRAIおよびJP-MIRAI会員に期待していること、貢献できることなどございましたら、教えて下さい 私たちは、元々インドネシア人からインドネシア語を習っていたメンバーで、インドネシアが好き、という気持ちから交流の延長で団体の活動を行っています。インドネシアに関わって20年という歴史があるため、インドネシアについては国民性や文化などの知識の蓄積があります。何でも聞いていただければと思いますし、インドネシア語の通訳や翻訳も可能です。 NPOとして外国人労働者の責任ある受け入れを考えたとき、NPOだからこそできることとは、行政や企業、外国人とのハブになることだと考えています。前述した多文化共生のワークショップもさまざまな所属の方をお招きしました。NPOというどこにも契約関係のない第三者的な立場だからこそ、外国人労働者の方、ステークホルダーの方へ隣人のように多文化共生の支援を提供できると思っています。 <インタビューを終えて> 弥栄様には、お忙しい中長い時間をこのJP-MIRAIの取材のために割いていただきました。友人関係の延長線上としての支援というご認識が、とても印象的なインタビューでした。この場を借りて感謝申し上げますと同時に、JP-MIRAIとしても皆様の意見をきちんと今後の活動に活かしていきたいと思います。 <取材執筆協力 株式会社クレアン 秋山映美・原田宏美>...