第6回:NPO法人Adovo

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本企画では、会員各位の外国人労働者受け入れ事例を紹介しています。

第6回でご紹介するのは、NPO法人Adovoです。Adovoは会員として責任ある外国人労働者受け入れプラットフォーム(JP-MIRAI)に参加されています。

AdovoはJP-MIRAI会員の中でも最若年に属する会員です。何しろ理事長が高校2年生!他のメンバーも高校生中心に10代で構成されているNPO法人です。「ともに生き、学びあう、『ともいき社会』をつくる」という目標のもとに集まった10代の若者たち。Adovoのウェブサイトは右記をご覧下さい。 https://www.adovo.org/

11月上旬に、JP-MIRAI事務局によりオンラインインタビューを実施しました。

NPO法人Adovo 松岡柊吾さん

NPO法人Adovo 名取陸之助さん

NPO法人Adovoの皆さん

Q. なぜ高校生がNPO法人を作ったのでしょうか?

松岡さんが通っている高校でベトナムに2週間行ける「ベトナム研修」があり、その前にベトナム語の先生が来たのですが、その先生がベトナム人技能実習生の保護をしていてNHKに出ているということを聞いて初めて知り、「こんな人がいるのか」と驚きました。また高校の国語の課題でプレゼンをするという課題が出て技能実習生のことを調べているうちに深く知りたいと思い、新聞の切り抜きや本を読んで、でも友達が全然知らないので「僕たちは高校生だから、高校生に知ってもらいたい」と思い、松岡さんが中心となり知り合いに電話し任意団体を結成しました。

最初は発信活動をやっていました。SDGsについての活動をやっている高校生は結構いて、イベントで横のつながりがあり、それを使って技能実習生関連の発信(イベントを開いてディスカッションしたりホームページに記事を書いたり)をしていました。でも技能実習生の問題についてどんなに発信しても誰も見てくれません。そこでどうやったらさらに効果的に発信できるかを考えて中高生に技能実習生問題を知ってもらうための作文コンテストを企画しました。しかし、任意団体だと作文コンテストのポスターも貼ってもらえないのではないかと思い、社会的な「信用」が必要だと考え、今年の4月にNPO法人の設立を申請し、7月に設立しました。

NPO法人設立の過程ではネットで情報を収集し書類を作って、都庁までお金がなかったので歩いて行って申請に行きました。法務局に提出した印鑑も学校の技術部の助けを借りた手作りでした。

Q. 現在の活動の概要と今後の活動予定を教えてください

3つの活動の柱があります。

  • 国際交流会

日本人の外国人への偏見をなくせればいいなと思い、始めました。今年の4月から始めて月2回ベースで今まで10回ほど開催しています。すべてオンラインです。

交流会に参加するのは10人から30人。日本人3:外国人各国から7の割合で、日本人は学生が参加し、外国人はバングラデシュ、インドネシア人などで、留学生が中心ですが、最近は社会人も入っています。 交流会の言語は英語がメインですが、交流会の中でLanguage Exchangeというプログラムを入れて、1対1のブレイクアウトセッションの中で、英語ではなくお互いの母国語の言葉をしゃべるという試みをしています。

東南アジアの外国人が参加した時、知り合いの技能実習生の話をしてくれて、本で読んだことと違う話を聞くこともあり、実際に本人と話さないとわからないことがあると思いました。

  • 日本語教室

今年の9月から始めました。これもオンラインで、日本語教師に興味がある学生(8人)が無償で外国人の方(10人強)に週1~2回、1対1の形式で日本語を教えるというものです。外国人は技能実習生などの労働者のほか、現地在住の外国人もいます。Adovoは学生と外国人のマッチングを行います。

国際交流したい学生が英語を使ってよりレベルの高い国際交流をできるというのが参加のメリットになります。参加した学生は最初みな落ち込みますが、英語が通じない場合でも、画面共有で絵をかいたりしてコミュニケーションしています。

  • ともいきプロジェクト

Adovoがその理念として掲げるのが「ともに生き、ともに学び合う『ともいき社会』を創る」です。この「ともいき社会を創る」ために計画されたプロジェクトが「ともいきプロジェクト」略してともプロです。

ともプロの具体的な内容は以下の二つです。

  • 全国の中高生を対象とした小論文・作文コンテストの開催
  • 上のコンテストで優秀な政策を提案するものがあれば、それを元にした政策提言を行うための署名活動

詳細はこちらのサイトをご覧下さい。 https://www.adovo.org/post/operation-tomoiki-%E5%A7%8B%E5%8B%95%EF%BC%81

Q. JP-MIRAIの5つの行動原則(https://jp-mirai.org/jp/code-of-conduct/)の実践において特に重視していることを教えてください

以下の3つの行動原則を特に重視して活動しています。

  • 私たちは、外国人労働者の人権を尊重し労働環境・生活環境を把握し、課題の解決に努めます。

ともプロのような企画を進めるためにはまずは私たち自身が彼らのことを尊重し、理解し、まずは我々から「ともいき」していくべきだと考えています。そこで、実際の外国人労働者・技能実習生の方々にお話を伺ったり、法律面のこともメンバー皆で共有しつつ、学んでいけたら良いなと考えています。「まずは私たち自身から」というのはAdovoのマインドの一つでもあります。

  • 私たちは、日本及び国際社会の発展と安定に貢献するため、外国人労働者の能力開発に尽力します。

私たちの日本語教室は高校生が一対一で丁寧に日本語を教えるという形式をとっています。もちろん専門の教育を受けているわけではないから期待通りのものができているわけではありませんが、一対一で日本語をお教えすることで、彼らがあまり触れることがないであろう日本の学生と話すこともでき、日本語だけではない価値があると考えています。生徒さんは随時募集中です!

  • 私たちは、プラットフォームの取り組みを日本国内及び世界に発信していきます。

私たちの強みといえば、同年代である学生への発信力です。JP-MIRAI Youthも含め、本プラットフォームのことをもっと学生にも知ってもらえるように取り組んでいけたらと思っています。また、最新のテクノロジーや機械系にはめっぽう強い自信があります。Webサイトの制作だって、SNSだって使いこなしています。

Q. Adovo設立のきっかけとなった「技能実習生」に関するAdovoの思いを教えてください。

「技能実習生を助ける」という設立当初の目標には近づいていると思います。最初に松岡代表がこの問題を提起した時に周りで技能実習生問題を認識している人はいませんでしたが、活動が始まると技能実習生問題にかかわりたいという仲間がどんどん増えてきました。Adovoの中でも、Adovo外の学生団体も その中でできることがもっとあると思っています。活動している中で、「学生のパワー」を感じており、学生だけで解決できる「技能実習生問題」も多いなと感じています。一人でも多くの人を楽にできる、そういうことをする力はあるなと感じています。

Q. JP-MIRAIおよびJP-MIRAI会員への期待を教えてください。

私たちは本格的に活動してから半年もたっていません。私たちはJP-MIRAIの中ではまだまだ技能実習生に触れる機会の少ない団体です。JP-MIRAIの皆さんから知識を教えて頂きたいし、私たちもどん欲に学んでいきたいです。JP-MIRAIの他の会員各位から何か声をかけられれば何でもやります。是非一緒にプロジェクトをやっていきたいです。

Adovo松岡さん、名取さんとも、お忙しい中長い時間をこのJP-MIRAIの取材のために割いていただきました(特に名取さんは、ニュージーランドからのオンライン取材参加でした)。この場を借りて感謝申し上げますと同時に、JP-MIRAIとしても皆様の意見をきちんと今後の活動に活かしていきたいと思います。

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本企画では、会員各位の外国人労働者受け入れ事例を紹介しています。第7回は、アジア技術交流協同組合です。 アジア技術交流協同組合は「世界中の人や企業にチャンスを提供する」を理念として2008年に設立された監理団体で、インドネシア人を中心とした技能実習生の受入れを行っています。アジア技術交流協同組合の概要については右記ウェブサイトをご覧下さい。https://asea.jp/ 10月26日にJP-MIRAIが行ったJP-MIRAI会員の2021年上半期活動報告会で今年の取り組みについて報告いただきました。そして会員相互の投票により優秀賞に選ばれました。https://jp-mirai.org/jp/2021/7375/ そのアジア技術交流協同組合の事務所をJP-MIRAI事務局が訪問し、取り組みや想いを伺いました。 <インタビューに応じて頂いた アジア技術交流協同組合 左から小川さん、ナディアさん、代表理事の下茅さん> <アジア技術交流協同組合の皆さん> Q. アジア技術交流協同組合(ASEA)のプロフィール、他の監理団体と比べた特徴を教えてください アジア技術交流協同組合(以下ASEA)は2008年設立の監理団体です。設立メンバーがインドネシアとビジネスのつながりがあり、インドネシアに貢献したいという想いからこの団体が設立されました。代表の下茅はもともとグローバル企業に所属しており、仕事の中でインドネシアと関わる機会も多く、そんな中技能実習事業に関する依頼を受け、代表を引き受けることとなりました。 ASEAは技能実習生の受け入れをメインの事業としていますが、特にサポートに力を入れている団体です。東京本社にはインドネシア人スタッフが現在4名おり、皆日本語能力試験N1の資格を持っています。日本人スタッフも海外経験が豊富で、外国人への理解が深いスタッフが多く在籍しています。日本人と外国人双方のメンバーが上手くチームを組みながら技能実習生の受入れを行っています。 具体的には、実習生の受入れ企業に対して監理団体の担当は通常1人だと思いますが、ASEAでは日本人チームとインドネシア人チームのダブルチーム体制で対応しています。企業側、実習生側両方の悩みに応えるため、日本人(企業)の文化とインドネシア人(実習生)の文化の両方を理解できる体制が必要だと考えています。また、月1回以上はASEAの担当者が実習生へコンタクトを取って、状況を確認したり悩みを聞いたりして実習状況の把握に努めています。 ASEAの特徴の一つとしてインドネシア人実習生を中心に受入れを行っていることが挙げられます。彼らは全般に手先が器用で、真面目で素直だと多くの企業から高い評価のお声を聞きます。また、相手の気持ちを気遣うところなど日本人と似ている部分があると言われています。現在の組合員企業様が別の受入れ企業様を紹介して下さることによって、ASEAが関わるインドネシア人実習生の受入れが増加しています。 Q. JP-MIRAIの5つの行動原則(https://jp-mirai.org/jp/code-of-conduct/)の実践において特に重視していることを教えてください 以下の行動原則を特に重視して活動しています。 ●【行動原則3】私たちは、働く場と生活の場の両方で、外国人労働者との相互理解を深め、信頼関係を醸成します ・メンターの設置 社内における日本人と外国人の価値観の違いを認識しその課題を解決しようとしています。 具体的には、外国人スタッフを日本人スタッフがフォローし相談に乗っていく「メンター」を2020年の9月から配置しています。 メンターを設置する前から日本人スタッフは外国人スタッフの「相談役」として時々相談には応じ、その中で彼らの課題は見えていました。今までは日本人スタッフは一個人として悩みを聞いていたのですが、そこから組織としてシステムを作っていこうとなってメンター設置に至りました。 東京オフィスにはインドネシア人が4名いますが、彼らに対し日本人メンターを2名配置しています。メンターは外国人スタッフと月1回の面談を実施しマネージャーへ共有、マネージャーから他の日本人スタッフに外国人スタッフの課題と改善策を共有していく、という仕組みです。 外国人スタッフは「文化の壁を気にして自ら発信しない」ことも多く、「大丈夫?」と聞いても「大丈夫」としか言わないことも多いです。そこで立場が近い人間が彼らの意見を吸い上げることがポイントとなります。インドネシア人実習生にも共通することですが、「こちらから聞く」というスタンスが大事だと思っています。具体的に聞くことによって、外国人スタッフは答えやすくなるようです。 ・課題解決と今後の取り組み 例えば実際にあった外国人スタッフの悩みとして、集中してお祈りをする環境がないということがありました。(注:インドネシアはイスラム教徒が多く、1日5回のお祈りがあります。頻度はその方の宗教観によります。)それを受けASEAは、オフィスの中にお祈りコーナーを用意しました。また、車での移動中などでもお祈りが出来るよう配慮しました。お祈り中は外国人スタッフに話しかけたり触れたりしない、ということをASEA全体で周知して、安心してお祈りできる環境を作っています。 また、イスラム教の教えではアルコールは禁止されています。このため外国人スタッフがお酒を飲めないので社内の会合に参加しづらいということがありました。この問題もメンターが察知して日本人スタッフと検討し、外国人スタッフの為「ランチ会」を実施するようになりました。 今後のさらなる取り組みとしては、コロナが落ち着いてきたら、日本人スタッフと外国人スタッフのランチ会を再開し、更に親睦を深めていきたいと思っています。また、インドネシアにゆかりのないスタッフに対しても理解を深めてもらえるよう外国人スタッフによる語学文化講習の取り組みを再開したいと考えています。今後もメンターを活用し、外国人スタッフとの相互理解に努めていきます。 ●【行動原則4】私たちは、日本及び国際社会の発展と安定に貢献するため、外国人の能力開発に尽力します ・技能実習生へのキャリアサポート ASEAが受け入れている外国人にとって、技能実習生の時代が小中学校(土台)と考えると、特定技能に進むことは高校、大学のようなものと捉えることができます。彼らが技能実習満了後、母国へ帰るという選択もありますし、更に技能を磨くため特定技能の道へ進むことも出来ます。進路決定の際は、実習生本人の希望する進路にスムーズに移行できるよう、企業と協力しながらサポートをしています。 Q. 外国人の日本におけるキャリア観と現状の制度下での課題は何だと考えていますか。 技能実習生が3年で帰ってしまうのを残念に思う企業も多いです。熟練するにはもう少し時間が必要だと考える企業も多いからです。そのような企業からは、昨今議論されている、特定技能での在留期限を延ばすという話は歓迎されるかと思います。一方で外国人労働者(特定技能外国人)からすると、日本に長くいるためには整った生活環境も一定の給料も必要です。住居については現状外国人に対して貸し手が多くはないなどの問題が出てきます。さらに、特定技能2号に進む外国人労働者がどんどん増えることで、彼らの家族帯同による問題も出てくるかと思います。その時に、例えば日本語をまだ上手に話すことが出来ない帯同子女の教育について、責任をもって実施できる環境が日本ではまだ平均的には整っていないと言われています。私たち監理団体も今後は彼ら外国人労働者の家族の悩みや教育支援をすることが必要になってくるかもしれません。 Q. 外国人労働者を取り巻く環境に関するアジア技術交流協同組合の想いを教えてください。 私たちの組合は「世界中の人や企業にチャンスを提供する」という理念があります。インドネシアも国民の70%は中間層となりましたが、国民の30%は未だ貧困層です。この層に属する若者たちに引き続き日本に来るチャンスを提供していきたいと思っています。 また、日本国内でも地方の人口減少という問題がある中で、外国人の技能実習生が地域に入ることによって高齢の日本人労働者のモチベーションが上がるという効果も聞いています。 ぜひ海外の方に色々な地域に入って頂き、地方創生に役立ちたいと考えています。 Q. JP-MIRAIおよびJP-MIRAI会員への期待を教えてください。 JP-MIRAIのほかの会員企業のお話はとても勉強になります。もっと会員同士の交流の機会があればと思います。また、世界では国や宗教によって文化や考え方が異なります。それらを私たち日本人が学ぶことのできる専門家によるセミナー動画などがあれば是非活用していきたいと思います。 <インタビューを終えて> 下茅さん、小川さん、ナディアさんとも、お忙しい中長い時間をこのJP-MIRAIの取材のために割いていただきました。この場を借りて感謝申し上げますと同時に、JP-MIRAIとしても皆様の意見をきちんと今後の活動に活かしていきたいと思います。...

本企画では、会員各位の外国人労働者受け入れ事例を紹介しています。 第5回でご紹介するのは、茨城県外国人材支援センターです。茨城県は会員として責任ある外国人労働者受け入れプラットフォーム(JP-MIRAI)に参加されています。 茨城県外国人材支援センターのウェブサイトは右記をご覧下さい。https://ifc.ibaraki.jp/ 9月上旬に、JP-MIRAI事務局によりオンラインインタビューを実施しました。 <茨城県労働政策課 高野弘毅さん> Q:外国人材支援センターを設立した経緯について教えてください。 茨城県外国人材支援センター(以下、「センター」)は平成31年4月に設立されました。 国において、新たな在留資格である「特定技能」が創設され、本県企業の人手不足の解消についても、外国人材等の活用が求められていますが、外国人雇用への理解不足や在留資格などの諸手続きの煩雑さ等から雇用に踏み出せない企業が存在するため、外国人雇用に関する制度の周知等を図り、外国人材活用を進めていくことが課題となっています。 外国人の方々に活躍いただくために就労支援や生活相談等一体的な支援を行うとともに、企業に対し外国人材の受入れに向けた支援全般を行い、就職マッチングや外国人材の県内定着を図ることで、継続的かつ安定的に人材・労働力を確保し、人手不足の解消、及び県内企業の発展を図るのが当センターの目的です。 外国人材の方が活躍するためには、企業において、適切な労働環境が整備されていることが前提になります。外国人材の受入れ経験が無い企業等に対し、茨城県外国人材支援センターのアドバイザーがサポートし適切な受入れ環境を整備した上で丁寧なマッチングを行うことで、外国人の方には「茨城に来てよかった」、企業の方には「外国人材を採用してよかった」と思ってもらえる好事例・モデルケースを発信しPRすることで、「選ばれる茨城」を目指します。 Q:外国人材支援センターの主な活動内容について教えてください。 ① 企業支援の概要 外国人材と企業のマッチングは民間企業含む他の団体でも行われていますが、茨城県では、マッチング前に外国人材を雇用する前の環境を整備したり、就業した後の定着支援のサポートに特に力を入れています。 県内の多くの中小企業では、外国人材の受け入れ実績が無いことはもとより、職員の方が外国人の方々と接したことが無いため異文化に関する知見が無かったり、受入れにあたり必要な就業規則や労務管理などの環境整備に時間と費用がかかるなどの理由により、外国人材の採用まで踏み切れていないケースが見受けられます。特に外国人材を雇用する場合は、従事しようとする業務が、外国人本人が持つ学歴や職歴、経験などと一致していないと在留資格が下りない、という日本人の雇用には無いハードルがあります。 センターには、中小企業役員経験者や海外法人立ち上げ経験者、海外駐在経験者など企業支援スキルを持つ者が専門アドバイザーとして駐在しています。彼らが中心となり、県内企業に、事業内容や人材の充足状況、事業計画、外国人材に対する理解等をヒアリングし、従業員の方が働く現場を見て問題ないと確認した上で、外国人材の雇用を提案します。また、外国人材を雇うために必要な手続きや環境整備、在留資格制度を併せて伝え、外国人材の雇用は決して簡単ではないことも説明します。 在留資格や労務管理の専門的な知見が必要な場合には、定期的に無料開催している行政書士や社会保険労務士の相談会に参加いただき、就業規則改訂や雇用契約書作成、適切な労務管理などの支援を行います。 この他、外国人材を雇用してみたいという企業を開拓することも重要なミッションであることから、駐日在外公館や、JICAさんやJETROさんなどの海外に拠点を持つ公的機関などとも連携し、一流の講師陣を揃えセミナーを開催し、異文化理解や海外事情、外国人材の持つポテンシャル等を講演いただいています。 これらのサービスは、全て無料で行っておりますが、言い方を変えれば、外国人材支援センターは企業さんと対等な立場にあるということだと思います。外国人材の方々に活躍いただくために、我々センターは企業さんに整備いただきたい事項を繰り返しお伝えさせていただきますが、もしご協力いただけない場合には、支援をお断りさせていただくこともございます。 ② 外国人労働者支援の概要 外国人の方は、就職活動に必要な情報を得るのが簡単ではなかったり、想定していた仕事と違っていたので離職したと、いうケースを耳にします。このため、センターでは県内企業の紹介や、県内視察ツアー、インターンシップの企画、県内企業との意見交換会などを開催し、企業と外国人材間のコミュニケーションを丁寧に行うことで、外国人の方に茨城県及び茨城県の企業を好きになってもらった上で就職いただき、ミスマッチの防止に努めています。 ある大学で留学生向けに就職ガイダンスを開催した際に、経済系の文系学生がIT企業でシステムエンジニアとして就職したいという方がいたのですが、在留資格があわないため就職できないことをお伝えしたことがあります。このようなケースは、非常によくあることですので、事例を交えながら、繰り返し、丁寧に説明していくことが重要です。 Q:ウェブサイトでは、ベトナム、インドネシア、モンゴル、ミャンマーを重点4か国に位置付けていらっしゃいますが、現時点でどちらの国籍の方と県内企業のマッチングが多いですか? この4か国は、海外から外国人材を受け入れるにあたっての重点国であり、国内にいる外国人の方々であれば、特に国籍の別なく、県内企業とのマッチングに取り組んでいます。ちなみに、マッチング件数が多い国籍は、ベトナムになります。既にベトナムの方は日本国内にも沢山いらっしゃいますが、企業側にとってなじみがあったり、またベトナム人の留学生も多いことが理由だと思います。 Q:これまでにエントリー(もしくはマッチング)した外国人労働者は、どのような在留資格の方ですか? 本県がメインで支援対象としているのは、「技術・人文知識・国際業務」若しくは「特定技能」の在留資格で就職したい方になります。 ただ、昨年度は、コロナ禍の影響で実習が継続できず、雇止めになってしまった技能実習生に別の実習先を紹介するというサポートもしました。 Q:これまでにエントリー(もしくはマッチング)した企業・団体は、どのような業種・団体ですか? 県内でも企業数の多い製造業や、あとは人手不足の業種とされる建設業やIT業界が多くなっています。その他、数は多くありませんが、人材派遣業や小売業、官公庁などにおいてもマッチング実績があります。 Q:JP-MIRAIでは、会員企業・団体に、「責任ある外国人受け入れのための5つの行動原則」を実践して頂くよう呼び掛けています。下記の行動原則のうち、(1)~(4)について、特に気を付けていることや具体的な取り組みがあれば教えてください。 (1) 私たちは、外国人労働者の受入れに当たり、関係法令を遵守します。 (2) 私たちは、外国人労働者の人権を尊重し労働環境・生活環境を把握し、課題の解決に努めます。 (3)私たちは、働く場と生活の場の両方で、外国人労働者との相互理解を深め、信頼関係を醸成します。 (4)私たちは、日本及び国際社会の発展と安定に貢献するため、外国人労働者の能力開発に尽力します。 (5)私たちは、プラットフォームの取り組みを日本国内及び世界に発信していきます。 ① 行動原則1‐法令遵守について ・相手国の法令を意識 本県が海外から人材を受け入れるに向けては、中央政府や地方政府、大学といった信頼できるカウンターパートと連携しています。連携を進めるにあたっては、覚書という公文書を取り交わしておりますが、当覚書の中で、相手国と日本、双方の法令に従って、適切なルートで、適切な人材を受け入れていくが明記されています。 仲介団体が労働者から徴収する手数料への対応については、例えばベトナムでは送り出し機関を経由しないと採用できない仕組みであるため、どうしても手数料が発生してしまいますが、もちろん、金額の妥当性や、何のために徴取する経費なのか等を確認し、他社の金額とも比較した上で、マッチングを行います。 ・登録企業の法令遵守の確認方法 先にお伝えした通り、センターが企業支援するにあたり、外国人材の雇用を具体的に提案する前に、就業規則や雇用契約書、労務管理、同一労働同一賃金、居住環境などが適正であるか、確認いたします。もし、適切でない点が見つかれば、修正をお願いしますし、必要があれば当センターの行政書士や社会保険労務士の相談会に誘導します。 また、センターは既に働いている外国人労働者の方からも広く相談を受け付けており、もしセンターで対応できない問題であれば、出入国在留管理庁や労働基準監督署への相談をご案内しています。センターを利用して就職された方には、何かあれば相談するようご案内しています。 ② 行動原則2-外国人労働者の人権尊重(労働環境・生活環境含む)について ・外国人労働者からのよくある相談事例と対応事例 センターが就職支援を行った外国人の方からではありませんが、「パスポートを取り上げられてしまった」などの深刻な相談が寄せられた際には東京出入国在留管理局水戸出張所を案内したり、残業代が支払われないといった相談には、労働基準監督所を紹介します。 企業からは、外国人労働者がごみの分別が理解できず困っている、音楽のボリュームが大きいなどの騒音、異文化理解の面のトラブルの相談が寄せられることもあります。こういった生活上のルールは、海外に暮らしていた方にとってはなじみがない場合が多いので、問題が発生してからではなく、事前に教える必要があります。特に、初めて外国人材の受入れを行う企業に対しては、外国人労働者を受け入れるということは、生活指導担当者を決めた上で、こういった生活上のルール順守も含めて、外国人の方へのサポート体制を構築する必要がある旨、ご案内しています。 ③ 行動原則3-外国人労働者との相互理解について ・外国人労働者の言語サポート せっかく茨城県を選んで働きに来てくれたので、少しでも日本語のコミュニケーション力を向上し、活躍いただきたいという思いで、本県は日本語学習支援e-ラーニングシステムを構築し、県内企業の担当者及び外国人従業員に無償で利用いただいています。このシステムでは、企業の管理者が、外国人従業員の学習状況を、例えば今月何回ログインし、総学習時間は何時間で、どれだけ学習が進捗したのか、などを確認することができる仕組みになっています。 ただ、課題もあって、このシステムを使って継続して勉強している方の数がアカウント発行総数に比べ少ないので、高いモチベーションをもって勉強を続けてもらえるようなモデルケースの創出に向け、今年度から伴走支援を始めました。 ④ 行動原則4‐外国人労働者の能力開発について ・資格取得のサポート制度について 茨城県は、ベトナム・ロンアン省と外国人材の送出・受入れに関する協力覚書を締結しましたが、この覚書に基づき、県内介護施設で技能実習生を受け入れ、介護福祉士の資格取得までサポートし、茨城県及びベトナムの介護産業を支える介護人材を育成するプロジェクトをスタートさせました。ちなみに、外国人の方が介護福祉士の資格を取得すれば、「介護」という在留資格を得ることができ、更新すれば在留期間の制限がなく日本で就業を続けることが可能になります。 Q:外国人材支援センターはJP-MIRAI共同事務局のJICA(独立行政法人国際協力機構)と協働を行っていますが、センターとしてJICAに期待されていること、具体的に協働されていることにはどういったことがありますか? 2020年12月にJICAさんと茨城県の間で外国人材の送出し・受入れ分野での連携を目的とした覚書を締結いたしました。また、2021年2月からは、センターにJICAさんの国際協力推進員に駐在いただいています。JICAさんには、海外に多数の拠点をお持ちであり、また、途上国に対する長年の開発支援などを通して蓄積した海外の知見やコネクションをお貸しいただきたいと考えています。 これまでの共同の取組みで言うと、例えばJICAモンゴル日本人材開発センターさんと共催で、モンゴルと茨城県をwebでつなぎ、日本への就職に興味があるモンゴル在住のモンゴル人の方々に、茨城県の紹介や在留資格制度の説明をするとともに、茨城県で既に就業しているモンゴル人の方からのメッセージも配信しました。実際に、セミナー参加者から茨城県で就職したいので支援してほしい、という依頼もいただきました。 コロナ禍の渡航制限によりセミナーや就職面接会を対面で開催するのは困難ですが、オンライン環境をフル活用し、JICAさんの海外拠点と連携しながら、コロナ終息後にスムーズな受入れ体制を整えることができるよう取り組んでいきたいと考えています。 Q:JP-MIRAIに貢献できること、期待していることなどございましたら、教えてください。 JP-MIRAIさんには、会員さんにおける先進的な取り組みや優良事例を横展開してくださることを期待しています。他県を見ても、行政が外国人材の受け入れ促進に着手し始めたのはここ数年であり、どの自治体も手探りの状況かと思いますので、是非参考にさせていただきたいと考えております。 茨城県外国人材支援センターと協働されている、JICA筑波センター渡邉所長からも次のようなコメントをいただきました。 JICA筑波センターでは、2020年12月に茨城県と、外国人材の育成、送出し、受入れ等に関する連携強化に向けた覚書を締結し、以下の取り組みを推進しています。 ・外国人材の茨城県内企業への受入れ促進 ・外国人材の県内企業への受入れに必要な各種イベントの開催 ・途上国の開発に資する県内企業の海外展開支援やグローバルな産業人材の育成 ・外国人材と茨城県民との相互理解の促進及び茨城県における共生 等 開発途上国の開発を支援するJICAにとっては、外国人材受入れ支援という活動自体が新しい取り組みで、どのようなことが求められているのか、何をどのように支援できるのか、悩みながら手探りでいろいろな事例を積み上げています。 JICAの目的である「開発途上国の開発を支援する」というところに立ち返ると、来日された方が茨城県で活躍されるだけではなく、母国に戻った後に母国の発展のために活躍できることが大切であると考えています。そのため、今後は茨城県内企業の海外展開支援等も含めて、来県された外国人材の方が母国でも活動される循環型の支援を進めていければと考えています。 茨城県庁高野様、JICA筑波センター渡邉所長様とも、お忙しい中長い時間をこのJP-MIRAIの取材のために割いていただきました。この場を借りて感謝申し上げますと同時に、JP-MIRAIとしても皆様の意見をきちんと今後の活動に活かしていきたいと思います。 <取材執筆協力 株式会社クレアン 秋山映美・原田宏美>...

本企画では、毎月1回会員各位の外国人労働者受け入れ事例を紹介しています。 第4回でご紹介するのは、協同組合FUJIで、会員としてJP-MIRAIに参加されている監理団体です。 協同組合FUJIは、横浜と名古屋に本部があり、ベトナム、インドネシア、タイ、中国、インド、フィリピンから技能実習生を受け入れています。 協同組合FUJIのウェブサイトは右記をご覧下さい。https://c-fuji.or.jp/ <協同組合FUJIの皆さん> 6月中旬に、JP-MIRAI事務局によりオンラインインタビューを実施しました。 Q:監理団体設立から現在の状況について教えてください 2009年、岐阜県で設立しましたが、設立当時は、岐阜県や愛知県で繊維業を中心に研修生や実習生を安い労働力として受け入れる傾向が強くあり、違法行為が日常的に生じていました。そのような中、私たちは、法令順守を意識し、人権に配慮した技能実習生の受け入れを目指し団体を設立しました。 2020年度の技能実習生の受け入れ人数は、ベトナムから3100名、インドネシアから400名、タイから160名、中国から90名、インドから70名、フィリピンから10名で、設立当初は、中国からの受け入れが多かったのですが、近年は、ベトナムからの受け入れが多くなっています。 設立当初から、幅広い業種に対してアプローチをして、さまざまな業種が参加する組合を設立しました。受け入れ企業も、農業、建築、機械・金属、食品製造等、さまざまな業種にわたり、多くは中小企業ですが、上場企業や上場企業系列企業など大企業もあります。 横浜と名古屋に事業所があり、全国にある受け入れ企業各社のフォローを行っています。コロナ禍の現在はオンラインも活用していますが、受け入れ企業や実習生からのご要望にお応えして、週に1回以上訪問するなど、きめ細かくフォローを行っています。 協同組合FUJIでは、スタッフのうち半数の約60名がベトナム、インドネシア、タイ、中国、フィリピンの外国人スタッフで、日本語能力試験のN1に合格したスタッフも多数在籍していて、実習生に対して丁寧に対応をしています。 Q:送出機関との連携や選定基準について教えてください 現在は、コロナ禍により、現地に行くことはかないませんが、送出機関への訪問はかなりの頻度で行っています。実習生受け入れの際には、受け入れ企業とともに訪問し、面接を行い、その際に、送出機関の寮の状況や専門学校の先生の授業の様子を受け入れ企業と一緒に訪問して確認もしています。信頼ができる送出機関とは長いお付き合いをしています。 <参考:6月15日に実施したJP-MIRAI主催手数料問題研究会における協同組合FUJI代表理事 服部説夫様の講演より>送出機関の問題として、高額な手数料の徴収、ブローカーによる手数料の徴収、不十分な教育、労働条件・雇用条件の不適切な説明、監理団体へのキックバックなどが指摘されていますが、どの送出機関も、すべてに該当するわけではなく、一部の項目について問題があるというケースも多くあります。このような問題が発覚した時には、その都度指摘し、改善をしてもらっています。 協同組合FUJIでは、不適切な送出機関を排除するために、実習生全員に入国後のアンケートやヒアリングを行い、送出機関への支払いなど来日までに負担した金額や日本語の語学力を把握し、送出機関の選定基準を設け、現地の日本語学校の日本語ネイティブの教員の数、駐在事務所/駐在員の配置の有無、トラブル発生時の協力と発生後の改善、帰国後の再就職支援の実施状況、現地での情報発信、キックバックや二重契約の提案の有無などを確認しています。 また、送出機関からの接待をなくすために、2年半前より名古屋、新横浜でオンライン面接の設備を整えて現地での接待の機会を減らしたり、キックバックの提案などを行う不適切な送出機関の情報を監理団体間で共有することなども行っています。 これまでに、実習生のアンケート調査で手数料以外にも徴収されていることが判明した場合や、日本語の教育レベルのばらつきなどについて改善依頼をしました。 たとえば、実習生が送出機関に支払う手数料などについて、実習生から聞いた話と送出機関からの説明が異なる場合には、時間をかけて真偽を確認し、場合によっては、その送出機関とは距離を置くというような対応もしています。 Q:受け入れ企業(組合加入企業)の基準はありますか? 基本的には、中小企業組合法で加入希望者を断ることはできませんが、社会保険への加入など法律で決められていることは当然のこととして、それ以外にも、チェックシートでの確認や、受け入れ企業の社長様の人柄、現場の雰囲気、日本人労働者も含め酷使されていないか、ユニフォームが汚い人たちが多くいないかなど、そこで働く実習生の目線に立って確認をしています。 協同組合FUJI側から、受け入れ企業に賃金を少し高くしてほしいと依頼しているので、それに同意してくれる会社に加入をしてもらい、安く受け入れたいという会社はお断りすることもあります。 Q:JP-MIRAIの行動原則についてお伺いいたします。 行動原則1① 「関係法令を遵守します」ということについて 実習生の負担軽減となるような受け入れ基準を設定するために、ベトナム人実習生を対象にインターネットでアンケート調査を実施し、1400名から回答を得ました。そのアンケートをもとに、今後、新たな受け入れ基準を設定する予定です。 <参考:6月15日に実施したJP-MIRAI主催手数料問題研究会における協同組合FUJI代表理事 服部説夫様の講演より>具体的には、海外就労に政府が関与し、手数料を実習生が負担することのないフィリピンモデルを他の国でも展開できないかと考えています。 現在、ベトナムでは、送出機関は、実習生から、3年間で上限3,600 USドル範囲内での手数料の徴収が認められていますが、協同組合FUJIでは、まずは、試験的に、実習生が送出機関に支払う費用の上限を1,500USドルとし、残額を日本側で負担する取り組みを複数の送出機関と検討を始めました。受け入れ企業には実習生が送出機関に支払う初期費用の一部を負担していただき、監理団体も送出機関運用費用とし送出管理費を増額する仕組みです。いずれは、実習生が負担する手数料がゼロになるよう目指しています。 近々、この新基準での受け入れを始めるべく、すでに営業も行っている状況です。 技能実習生の失踪が問題となっていますが、フィリピンからの受け入れを行っている団体では、失踪者がほぼゼロの団体もあるので、手数料の負担額の大きさと失踪は関連があるのではないかと考えています。 行動原則2「外国人労働者の人権を尊重し労働環境・生活環境を把握し、課題の解決に努めます」ということについて 実習生が母国とのつながりを維持できるように、ポケットWiFiの貸し出しなど通信環境の整備を行っています。 また、ベトナムでは地震がなく、避難することも知らないため、日本では、地震の際に携帯からアラートがなることや、避難経路の周知、避難場所に直接つれて行くことも行っています。 行動原則3「外国人労働者との相互理解を深め、信頼関係を醸成します」ということについて コロナ禍では難しい状況ですが、以前は、実習生と受け入れ企業の方、協同組合FUJIの通訳で、地域が主催しているイベントに参加し、その地域の方たちと一緒に畑を耕し芋ほりやお花見、スポーツなどをしていました。今後は全国のNPOや大学のサークルなどと連携して実習生の地域社会への溶け込みを促進する活動を進めたいと考えています。この活動は、優良団体として必須の活動のため、受け入れ企業にも実施していただくように働きかけています。 行動原則4「外国人労働者の能力開発に尽力します」ということについて 日本語の習得も、母国への帰国後に実習生たちの職業人生に大きく役立つものと考え、日本語習得のサポート体制を構築しています。 受け入れ企業ごとに、実習生のシフトに合わせて、実習生に対するオンラインの勉強会を開催してサポートしています。 そのほか、外国人労働者向けのショート動画がたくさんアップされている株式会社soeasyさんの動画ツールsoeasy buddyを活用しています。協同組合FUJIでも、さまざまな言語の通訳スタッフが、あいさつの仕方、「危ない」、「痛い」などの日本語をショート動画にしてアップし、実習生がその動画を見て勉強できるツールを開発しています。 Q:コロナ禍における課題や問題などはありますか? いくつかの受け入れ企業で、実習生を雇用できなくなったことがありましたが、幸い、他の受け入れ企業や知り合いの監理組合などに相談し、ほぼすべての実習生の転職先を見つけることができました。さらに、他の監理団体からも、600人ほどの実習生の再就職先についての相談があり対応をしているところです。 Q:実習生と受け入れ企業とのトラブルの解決はどのように行っていますか? 受け入れ企業側には、同じ日本人として思いやりをもって実習生に接してほしいと思いますし、実習生の言い分もすべて正しいわけではありませんが、コミュニケーション不足でミスマッチが起こることも多いため、現場に行き、実習生と受け入れ企業の両者の話をしっかり聞いて、それぞれ改善すべき点は改善していただくようにしています。どうしても、雇用する企業側は強い立場にありますので、どちらかというと、実習生の立場に立って、目線を合わせて話をすることを心がけています。 Q:JP-MIRAIに期待していることはありますか? JP-MIRAIでは、手数料問題勉強会を4回にわたって開催されていますが、この問題は、どこか1か所だけに問題があるということではないため、制度の根本的な改善の提言をしていただきたいと思っています。JP-MIRAIに加盟している団体はSDGsを含めた問題解決を適切に行っている団体の証になるようなプラットフォームを目指していただきたいと思っています。 続いて、協同組合FUJIさんの紹介を頂き、いすゞエンジン製造北海道株式会社で2019年から働くベトナム人のVI VAN TRUONGさんにもオンラインで取材を行わせて頂きました。 <VI VAN TRUONGさん> インタビューには協同組合FUJIのNGUYEN THI PHUONGさんにも立ち会い頂き、取材をサポート頂きました。 Q:なぜ日本で働きたいと思ったのですか? 日本は先進国で先進技術を持っているということを聞いていました。新しいことを体験したい、勉強したいと思ったので2019年に日本に来ました。 Q : いすゞエンジンで働いて、期待通りの経験をしましたか? 思った以上の経験はありましたか? 工場の最新の設備に驚きました。機械とかロボットとかに驚きました。 Q : いすゞエンジンで実習生として働く中で問題があったことはありますか? 協同組合FUJIに相談しましたか? 協同組合FUJIはどのようにあなたをサポートしましたか? いすゞエンジンの工場に来て、最初に困ったのは機械の操作です。ベトナム語版の作業手順書を頂いたのですが、タッチパネルには日本語の説明しかないので最初は協同組合FUJIのフォンさんに横にいてもらい翻訳してもらって教えてもらい、機械の操作を理解しました。 ほかにも、日本の生活習慣がベトナムと違うので困惑することがありました。車が道路の左側を通るとかごみの分別の習慣とか。 協同組合FUJIのフォンさんは、みんなに説明会を開いたり、月1~2回工場の現場に来てくれて困ったことがないか尋ねてくれたり、Facebookでいつでも困ったことに関して質問に答えてくれます。いすゞエンジンにも生活指導と技術指導の方がいるし、工場に通訳の人もいてお世話になっていますが、フォンさんにはいつもサポートしてもらっています。日本語も今は自分で勉強していますが、協同組合FUJIさんに日本語の勉強の資料をもらって勉強しています。 Q : 日本に来る前に知っておくべき情報はありますか? 日本の文化、地域の風俗や生活習慣を来日前に知るべきだと思います。 Q : ベトナムでの研修中に何か問題に遭遇しましたか? 日本語の勉強が大変でした。ベトナム語と全然違います。最初は漢字が全然覚えられませんでした。 Q : 外国人労働者を受け入れる日本の企業や組織に何を期待しますか。 外国人に対して思いやりの感情を持ってもらいたいです。文化も生活も全然違う国で働くといろいろ困ったことがありますし、特に言語に関しては誤解されていると感じることもあります。日本と外国との文化の違い、外国で働く労働者の環境を受け入れ企業側も理解してほしいと思います。 Q : 社外の外国人労働者と接触はありますか? ベトナムにいたころからの知り合いがいます。休みの日は工場以外のそういった友達と遊びます。 Q : 外国人労働者の観点から、JP-MIRAIに何を期待しますか? 外国人労働者の職種に関するアンケート・調査を行ったり交流イベントを開催したりして外国人労働者と企業がお互い理解しあえるようにしてほしいです。ベトナム人はFacebookを良く使っているので、Facebookを活用してほしいです。 <コラム:JP-MIRAI会員としての、今後のさらなる「外国人労働者と企業がお互い理解しあえる」社会の実現に向けての取り組み~協同組合FUJIより> 協同組合FUJIとしては、活動計画にも掲げているとおり、地域イベントへの参加を気兼ねなくできるように、組合職員が言語支援(通訳)として同行を予定しています。 この、地域イベントに組合職員が言語支援(通訳)として同行する活動は受入企業へもアナウンスし、地域社会・受入企業・訪日外国人のコミュニケーションの場となるように計画しております。 また、日本の若者と訪日外国人のそれぞれが交流できる場の企画も予定しており、主に大学のサークルや、NPO法人等と連携し、職場・地域社会・国籍に囚われずに、相互理解を深める事を目的とします。 また、受入企業のいすゞエンジンは敷地内での家庭菜園を行ったり登山企画や週に数時間も終業時間内に検定対策の勉強、指導を行ったり、ゲームを交えた日本語勉強会なども行っています。 協同組合FUJIの皆様、TRUONGさんとも、お忙しい中長い時間をこのJP-MIRAIの取材のために割いて頂きました。この場を借りて感謝申し上げますと同時に、JP-MIRAIとしても皆様の意見をきちんと今後の活動に活かしていきたいと思います。 <取材執筆協力 株式会社クレアン 秋山映美・岸田匡>...