2025年10月23日、企業協働プログラムの意見交換会が対面で開催されました。
様々な業種の企業からご参加いただき、外国人労働者をめぐる課題やその対応について活発な意見交換が行われました。
第一部 基調講演
基調講演①
「最近の外国人社員と労働問題事例、実際の事例紹介」
島村法律事務所 弁護士 島村洋介氏より、外国人労働者に関する最新の労働問題事例についてご講演いただきました。
実際の現場で起きた2つのケースをもとに、課題の背景や対応のポイントが紹介されました。
- 外国人(派遣社員)在職中の一時帰国と雇用契約
- 「特定活動」から「技術・人文知識・国際業務」への在留資格変更時の虚偽申請
基調講演②
「監理団体から見た受入企業の実態と対応事例」
株式会社ワールディング 執行役員 池邊正一朗氏より、「現場から信頼を得るための人権部署・人権DD(デューデリジェンス)の工夫事例」と題し、監理団体の視点から受入企業の現場対応の実態と課題についてご講演いただきました。
人権DD推進における主管部署の悩みや、具体的な対策事例、よくある企業の課題とその要因について、分かりやすく解説されました。
第二部 事例問題によるディスカッション
弁護士法人Global HR Strategy 弁護士 杉田昌平氏の進行のもと、事例演習を通じたグループディスカッションが行われました。
杉田弁護士からの【事案】問題解説の後、参加者は【設問】についてグループごとに検討・報告、杉田弁護士から解説を実施しました。
また、今年9月に公布された主務省令を踏まえ、来年度から新たに導入される「育成就労制度」への移行に際し、現行の技能実習制度をそのまま延長する形で捉えた場合に生じ得る課題について検討が行われました。
取引先に勤務する「育成就労」労働者が、送出機関に対して規定額(月給の2か月分)を超える費用を支払っていることが判明した場合の法的問題や、企業への影響などが議論されました。
これらの点を踏まえ、企業に求められる具体的な対応や、今後こうした事態を招かないために企業として取り組むべき準備について、グループワークを通じて意見交換が行われ、杉田弁護士による解説も併せて実施されました。
また、JP-MIRAI事務局からは、効果的な取り組みとして、『公正で倫理的なリクルートイニシアティブ (FERI)』の有効性について説明を行いました。
現場での対応の難しさや、制度と実務の間にあるギャップについて多くの意見が寄せられ、今後の改善に向けた貴重な示唆が得られる有意義な時間となりました。
