JP-MIRAIは、2025年11月15日~22日に標題のスタディーツアーを行い、会員4名が参加しました。ツアーでは、政府機関、教育・訓練機関、送出機関などを訪問し、最終日には、送出機関、国際機関関係者などを招いたラウンドテーブル会合を行い18名が参加し、課題認識を共有しました。 以下、12月22日に開催された報告会での発表を掲載します。
1.インド人財と共に働くために-考えたい3つの課題-
ワンダライフ有限責任事業組合 林田香織氏
インド人材の受け入れにあたっては、地域ごとに文化や価値観が大きく異なる点を踏まえる必要がある。若者は雇用機会の不足や日本への憧れから来日を志望している。今回のツアーで明らかになった課題は、雇用情報の不足、日本語教育やキャリア支援の不足、人権保護意識の弱さの三点である。高い日本語力と技能教育は不可欠だが、費用負担が送り出し側に偏っている現状が問題であり、日本側企業が投資として教育支援に関与する姿勢が求められる。
2.人材送出ポテンシャルと送出機関について
YUIME株式会社 江城嘉一氏
インド人材の受け入れには大きな伸びしろがあると感じている。特定技能では介護分野が6割を占め、女性応募が多い一方で男性の行き先が不足している点が課題である。農業や建設など男性が活躍しやすい分野に戦略的に投資すれば、実績づくりや政府連携の可能性が広がる。地域特性を踏まえ、企業が個別に動くのではなく、需要に応じて集中的に育成・送り出しを進める体制が重要であると考える。
3.日本語教育の現状とライフキャリアについて
株式会社明光キャリアパートナーズ 西張功一氏
インドの日本語教育は寮制や提携施設を活用し、文化理解や生活指導まで踏み込んだ体系的な育成が進んでいる。一方で習得期間は9〜12カ月と長く、経済事情による離脱や費用のばらつきが課題である。また、候補者は高学歴層が多いものの、特定技能では専門性が生かしにくく、情報不足によるミスマッチも懸念される。政府による公式情報の整備や送り出し機関の協力体制、統合的なプラットフォームの構築が、安心して働ける環境づくりと持続的な雇用に不可欠である。
4.人権保護の視点から
JLE事業協同組合 鈴木淳司氏
インド人材の受け入れでは、人権意識の低さや手数料の不透明さが大きな課題であると感じた。特に北東部では歴史的背景から差別が残り、キャリア育成へのコミット不足も見られる。一方で、政府が求人情報を一元化するポータルを構築中であり、手数料ルールの明確化が進めばゼロフィー実現の可能性は高い。受け入れ側と外国人双方が共生の理念を理解し、適正な制度運用を進めることで、より良い人材受け入れ環境が整うと考える。
5.まとめ
JP-MIRAI理事 宍戸健一
最終日のラウンドテーブルでは、外務省やNGO、送り出し機関など約30名が参加し、インド人材の可能性と課題を共有した。需要と供給のミスマッチや帰国後のキャリア、教育機関の不足、費用や監督体制の弱さが大きな論点であった。また、デリーでは生活費の高さや地方出身者への差別から日本語教育が敬遠される実態も確認された。インドは多様で課題も大きいが、適切なパートナーと連携し、民間主導で成果を出すことが受け入れ拡大の鍵になると感じている。
JP-MIRAIとしては、今回得られた情報や関係者との対話の結果について、関係者に発信するとともに、JP-MIRAI自身の取り組みも強化し、よりよい受入れ向けて取り組んでいきます。
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