2025年10月7日(火)、Zoomウェビナーにて「育成就労制度の最新動向!企業が対応すべきこと」と題した一般公開セミナーを開催しました。講師には弁護士法人Global HR Strategy 代表弁護士の杉田昌平氏をお迎えし、2027年に施行予定の育成就労制度について、最新の主務省令の内容と実務上のポイントを中心にご講演いただきました。
講演内容の要点
●育成就労制度の概要
「移行時の日本語能力」「職種」「転籍(「やむを得ない場合」と「本人の意向」)」の3点についての説明がありました。特に今回の制度改定において注目される「転籍」については、転籍制限期間、移籍金の取り扱い、本人の意思による転籍の条件など、詳細な説明がありました。
●企業が制度施行に向けて準備すべき対応
<日本語能力>
新たに求められる日本語能力について、段階的な設定を示す図を用いて説明がありました。育成期間3年の終了時にはA2(N4相当)の取得が必要となるため、企業が日本語教育の体制を考え、育成することが必要になります。
<手数料>
今回の制度では、育成就労外国人が来日前に送出機関へ支払う手数料等について「育成就労計画に記載された報酬の月額に2を乗じて得た額を超えないこと」と明文化されました。これまでは現地の送出機関と外国人との契約書について、日本側の育成就労実施者(採用企業)は関与しないケースが一般的でした。しかし、新制度では、雇用主である日本側の採用企業が“育成就労計画書”の認定申請に際して、手数料の確認を行い、「2か月を超えていない」ことを証明する書類を添付する必要があります。この確認と管理は採用企業の責任において実施されることが求められます。
●JP-MIRAIによるFERI(公平で倫理的なリクルート)について説明
JP-MIRAIからは、FERIに関する考え方と取り組みについて紹介がありました。技能実習生は、訪日前に多額の手数料や関連費用を支払っている現状があり、育成就労制度ではこれらの手数料についても明確な規定が定められています。雇用主、斡旋機関、送出機関のそれぞれが適切な役割を果たすため、FERIガイドラインに基づいた外国人材の採用に関する認証制度についての説明が行われました。
本セミナーはシリーズ形式で実施予定であり、今後も育成就労制度に関する実務対応や制度運用に関する理解を深める機会を提供していきます。企業の皆様におかれましては、制度施行に向けた準備を段階的に進めていただくための参考として、今後のセミナーにもぜひご参加ください。
