よくあるご質問とお答え

妥当性について

Q1: なぜ今、プラットフォームが必要なのか?

 日本では、少子高齢化により、労働力不足はますます加速し、外国人労働者は増え続けることが予想されます。他方、他の先進国や新興国などでも少子化が進んでおり、外国人労働者の受入れが拡大します。東南アジアでは、日本に行くよりも韓国や台湾を選ぶという声も聞かれ(注:JICA の聞き取り調査による)、外国人労働者の争奪が始まっているという指摘もあります。
 他方、日本における外国人労働者の受入れ環境に関する諸問題は、諸外国でも認識されており、日本を選ぶ労働者が減少することや日本そのものの国際的な信用が下がってしまうことを危惧する指摘もあります。法令遵守はもちろんのこと、生活者としてしっかり外国人労働者を受入れ、日本の評価を上げ、「信頼され、選ばれる日本」になることが重要だと考えます。こうした目標を実現するためには、個々の企業・自治体はもちろんのこと、様々なステークホルダーが協力することが不可欠であり、「責任ある外国人労働者受入れプラットフォーム」の設立に到りました。

Q2: 外国人労働者を巡り指摘されている問題とは何か?

 国内報道でも、賃金未払い、ハラスメント・暴力など様々な報道がなされていますが、国際社会でも、米国務省の報告書での指摘などがあります。
 米国国務省が188か国を対象として毎年公表する「2020年人身取引報告書」(6月発表)において、日本の評価は4段階のランク付けのうち2019年度の最も良い第一階層から第二階層へと引き下げられました。2021年度の報告でも全体的に取り組みを強化していると示した一方、外国人技能実習制度における人身取引事案や被害者を積極的には1件も認知しなかったことから人身取引被害者を認知や保護する政治的意思が継続的に欠けていたと報告されています。

Q3: 本プラットフォームと他機関や取り組みとの違い、ユニークな点は何か?

 国内の行政機関(関係省庁・自治体・関係機関)は、それぞれの所掌業務の中で様々な取り組み、経済団体・業界団体は、政策提言やそれぞれの業界特有の課題について取り組みをされております。
 責任ある外国人労働者受入れプラットフォーム(以下JP-MIRAI)は、外国人労働者の声を直接聞き、認識された課題について、民間企業、経済団体・業界団体、自治体や政府関係機関、研究機関や有識者など外国人労働者に関係するステークホルダーが問題解決に向けたアクションを目指すプラットフォームとしては、国内初と考えています。

活動内容について

Q4: 活動の対象とする「外国人労働者」の定義は?

 永住権をもたない外国人労働者を対象としますが、在留資格は特に限定していません。

Q5: 外国人労働者の家族についても活動の対象となるのか?

 生活者としての外国人受入れも視野に入れており、活動の対象となると考えています。

Q6: 全国に居住している外国人労働者をどうカバーしていくのか?

 アプローチとしては、(1)経済団体・業界団体・大手企業などと連携し、サプライチェーンにある中小企業などへの呼びかけ、(2)自治体との連携により、地域の企業や外国人労働者受入れ先への呼びかけ、(3)外国人労働者に有用な情報の提供を通じて、ウェブサイトやアプリを通じたアクセスを増やす、これらの(1)~(3)を組み合わせて、日本のステークホルダー及び外国人労働者へのリーチを広げていきたいと考えています。

Q7: 上記 Q2で指摘されている問題をどのように解決できるのか?

 多くのステークホルダーとともに社会に発信し、問題解決の必要性について国民の理解を得ることが重要と考えます。アプリ等を通じて問題を具体的に把握した後、解決に向けてステークホルダーで話し合い、必要な提言・アクションを行う仕組みにより問題解決を図ることを想定しています。また、こうした取り組みを国際社会に向けても発信し、国際社会の理解を得たいと考えています。

Q8: 問題事例について個別対応も行うのか?

 JP-MIRAIは相談窓口「JP-MIRAIアシスト」を2022年5月23日に開設いたしました。JP-MIRAI会員様(企業や監理団体の皆様には利用に条件あり)や会員の支援する外国人の方から、相談(就労・健康・生活・学校・行政手続き等)を受け付けております。詳しくはhelpdesk@jp-mirai.orgまでお問い合わせください。また、ウェブサイトの活動内容ページより、相談・救済事業の詳細をご確認いただくことが可能です。ぜひご覧ください。

Q9: 悪徳なブローカーや手数料などの問題をどう解決するのか?

 JP-MIRAI としては、優良事例を共有することにより、多くの日本の関係者の方に適切な受入れを推奨する事に取り組みつつ、ウェブサイトやアプリを通じて寄せられる各種情報をもとに、公的機関に対処を申し入れる予定です。

Q10: 自治体との連携や地域コミュティでの取り組みが重要ではないか?

 各地域において、自治体や各種民間団体が、様々な取り組みを推進されております。JP-MIRAIでは、優良な取り組み事例のご紹介や(可能なものについて)ガイドライン・各言語のマニュアルなどの共有などを行うことにより、自治体や地域の取り組みを応援していきたいと考えます。自治体や地域で活動する民間団体様にも是非、JP-MIRAIへの参加をお願いしたいと考えています。既に地域ごとに分科会を作ってはどうかと言う意見も頂いており、検討したいと考えています。

Q11: 公的機関やNGO、在京大使館、各国政府、国際機関などとの連携が重要ではないか?

 法務省、厚生労働省、外務省、経済産業省、農林水産省、JITCO、OTIT、JETRO、ILO、IOM など関係省庁・機関には早い段階から相談済みであり、活動レベルでご協力を頂く方向で理解いただいております。今後、在京大使館や各国政府とも説明や連携についてコミュケーションを深めて行く予定です。また、JICA 事業において、各国の海外労働行政担当官の日本招へい(対話)や各国政府への人材育成や行政などの能力強化などの事業も検討しています。

Q12: 解決に向けた提言に、外国人労働者の受入れの制度に関するものも含まれるか?

 まずは上記Q7で認識された問題をもとに、会員間で議論の上、それぞれの制度の趣旨に沿った形で、改善策を提言する予定です。制度を巡っては、今後会員間の議論を深めて行きます。

参加資格・会員について

Q13: だれが会員になることを想定しているのか?

 外国人労働者の適切な受入れのためには、直接的な受入れ企業のみならず、生活者として受け入れる地域の方々も含めたすべてのステーホルダーの協力が不可欠です。そのため、『行動原則』に賛同して頂ける外国人労働者受入れに関連するすべてのステークホルダーに加盟をお願いして、活動を広げていきたいと考えています。

Q14: 会員申し込みの手続きは?審査はあるのか?

 ウェブサイト上に申込書を掲載。事務局で、反社会勢力でないことや重大な問題を抱えていないことを可能な範囲で確認(審査)させて頂きます。

Q15: 参加者にとってのメリットは何か?

 ウェブサイトに掲載のとおり、以下のことが考えられます。また、知見・経験をお持ちの団体・企業などにおかれましては、情報やご経験の提供をお願いし、目標達成に向かって共に取り組ませて頂きたいと思います。

  1. 外国人労働者受入れに関する最新の動向や優良事例などの情報を得ることができます。
  2. 参加企業・団体・自治体様が抱える同じような課題について、解決策を話し合うことを通じて、自社・自団体の取り組みの参考になります。
  3. 関係者間のネットワーク(人脈づくり)と連携活動の促進に活用いただけます。
  4. 民間企業・団体・自治体の皆様の優良な取り組みをご発信頂く場となり、対外的な評価を高めます。
Q16: 会員を除名することもあるのか?

 会員が反社会勢力とのつながりがある事が判明した場合や外国人労働者に関連する重大な問題が発生した場合には、規約に従い、退会をお願いすることがあります。

運営体制について

Q17: JICA は途上国支援が主たる業務だと思うが、なぜいま外国人労働者の受け入れ支援を行うのか?

 【JICA コメント】日本で働く外国人労働者の多くは開発途上国出身であり、またその多くは祖国に戻り、自国の社会や経済の発展に貢献する人材となります。そのため、途上国人材の適切な受入れ、人材育成や日本に対して好感度を持って帰国頂くことは JICA にとり、非常に重要な取り組みであり、機構法第3 条の目的「これら(開発途上)の地域の経済及び社会の開発若しくは復興又は経済の安定に寄与することを通じて、国際協力の促進並びに我が国及び国際経済社会の健全な発展に資すること」に合致したものと考えています。2020 年 7 月に改訂された日本政府の「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策」では、ODA と関係する 4 つの施策が新たに加わり、JICAの関与と役割は政策レベルでも認知されており、外国人材の受入れ拡充・共生社会の構築に向けた貢献にも注力していきます。海外に 96 ヵ所、国内に 15 ヵ所の拠点を持ち、国内外の様々な関係者と協力関係がある JICA の強みを活かしつつ、皆様と協働してJP-MIRAIを推進していきます。

Q18: アドバイザリー会合のメンバーは、どのようにして決定するのか?

 2023年6月の運営体制の変更に伴い、従来のアドバイザリーグループ・専門家委員会を一本化しました。アドバイザリーグループについては本プラットフォームの構想段階から、議論に参加頂いた皆様及び、経済界・業界を代表して、呼びかけを行って頂ける方々に事務局からお声がけしました。専門家委員会メンバーについては「ビジネスと人権・指導原則」に沿った活動や、国際的な発信などの専門的な視点からの助言・ご協力を頂ける方々にお声がけしました。

Q19: JP-MIRAI の運営資金は?

 第一段階としては、活動基盤を作り、実績を重ね賛同者を増やすことを優先し、JICA が事務局経費などを負担しています。併せて、他の企業・団体等による資金又はリソース提供もお願いしています。

Q20: 将来的な運営体制・資金は?

 将来的には、参加するステークホルダーによる会費や公益性を考えれば公的な助成も頂き自律的な運営することが望ましいと考えており、運営や活動計画・資金調達などについて、議論していく予定です。

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