活動レポート

長崎県/JP-MIRAI共催「外国人材の適正な受入・定着促進セミナー」を開催しました
活動レポート

2025年10月15日、長崎県とJP-MIRAIは「動画教材による外国人材の適正な受入れ及び共生推進」に向けた協力に関する覚書を締結しました。これを受け、両者共催の元、2027年度に施行される育成就労制度に向けた今後の取り組みをテーマに11月12日、長崎県長崎市において県内の企業、監理団体・登録支援機関等向けに、専門家による講演とパネルディスカッションを開催しました。会場とオンラインを合わせ、県内外から150名近いご参加を頂き、長崎県未来人材課の高見企画監のご挨拶によりスタートしました。 

1. 基調講演「育成就労制度について」 

株式会社ワールディング 執行役員 池邊氏 

池邊氏には、育成就労制度に至るまでの経緯、我が国の近年の外国人材受入制度や環境の変遷及び育成就労制度の概要及び開始までのスケジュールや技能実習制度との主な相違点(外国人材に求められる日本語能力の要件など)について説明がありました。特に2027年度から開始される育成就労制度をシームレスに活用すべく、運用要領の発表を待たずに実施可能な受入体制整備の必要性について指摘がありました。会場やオンライン視聴者の皆様からは、転籍が発生した際の受入時初期費用の転籍先が負担するべき金額や監理支援機関の要件など、新制度の運用に関する質問が相次ぎました。

2. JP-MIRAIの取組紹介 

JP-MIRAI理事 宍戸 

続いて、宍戸からJP-MIRAIの組織概要や活動内容、育成就労制度に向けた課題の提示がありました。そして、使用者に、「外国人本人が 訪日前に送出機関へ支払う金額を把握し、それが月給2か月以内に収まるよう管理する責任がある」ことが強調され、JP-MIRAIが推進する 「公正で倫理的なリクルート(FERI)」の有効性を説明しました。また、長崎県との連携活動の概要や「外国人材の地域定着促進」 という活動についても説明を行ないました。

3. パネルディスカッション 

パネリスト: 
東興産業株式会社 常務取締役土木部長 香川 賢治氏
長崎県中小企業ビジネス支援協同組合 代表理事 坂口 範雄氏 
株式会社ワールディング 執行役員 池邊 正一朗氏 
長崎県産業労働部未来人材課 企画監 高見 誠氏 
JP-MIRAI 理事 宍戸 健一 

モデレーター: 
JP-MIRAI 大久保 信一 

新しい外国人の雇用制度として、これまで活用が進められてきた技能実習制度が廃止され、2027年にスタートする育成就労制度が、在留資格の内容や外国人材に対する支援の在り方だけでなく、制度の目的そのものにおいて異なる事を踏まえ、各分野の方々からお話を伺いました。 

まず、建設業などを経営される香川氏からは、過去の外国人材受入からの教訓を踏まえ、今は「選ばれる企業」を目標とした様々な活動が披露されました。例えば外国人材の日本入国前に現地に赴き、その家族に直接会うことで安心感を高めてもろうという試みや、来日後の生活環境充実化により、外国人材が安心と快適を実感できる工夫について詳しく教えて頂きました。また、外国人材とのカベを取り除くため、日本人社員への教育を実施、外国人材と共に仕事をしていく事の理解促進にも力をいれ、さらには外部機関の力を借りた相互理解育みへの試みを力説頂きました。

次に数十年に亘り、監理団体・登録支援機関を運営される坂口氏からは、地道な外国人材受入経験における環境整備や工夫について、豊富なご経験を惜しみなく披露頂きました。また、受け入れた外国人材の定着状態を企業の通信簿に例え、外国人材一人一人に寄り添って支える事の大切さも、ご自身の経験を踏まえ、丁寧にお話頂きました。そして、以前とは異なり、日本が外国人材に取って選択肢の一つになっており、よって日本が今後選ばれる国であり続けるためには、これまで以上に努力する事が必要だと、重ねて主張されていました。 

長崎県の高見氏は、県内企業の外国人受入への意識向上の必要性を説かれ、外国人材受入環境整備を、人的余裕があるうちから始めるべき、と強調されました。そして、県が企業の外国人材に対する理解促進・意識醸成を企図し、外国人材受入促進に取り組む施策を説明くださいました。例えば、総合相談窓口の設置、制度概要、異文化理解、受入事例を紹介するセミナー開催など。その上で、他県に負けない外国人受入環境の長崎県での整備への思いも語られました。 

多くの外国人材受入企業や監理団体等を支援する池邊氏は、基調講演でのポイントを強調しつつ、育成就労制度で新設される監理支援機関の許可基準について詳細に補足説明を行いました。さらに、これまでのご経験から、外国人材受入における関係組織・機関の横のつながりの弱さを克服することの必要性も強調されていました。 

JP-MIRAIの宍戸からは、海外の送出し機関等を訪問する度に見る、外国人材が寄せる日本で働く事への高い期待感に応えるべく、本セミナーで語られている活動や施策の継続的な実践と共有を地道に続けていく事の大切さが主張されました。 

本パネルディスカッションでは、各分野の方々から、様々な経験と知見が共有されました。育成就労制度の全てが未だ見えないものの、受入企業では給与だけでなく、職場環境、キャリア計画支援も考える事で、外国人材がやる気を持ち、長く企業で働き、そして地域に定着する事につながる、また、相互理解を元とした企業と地域の受入環境整備が、長崎県が外国人材に選ばれ続ける鍵であるという方向性が確認されました。 

最後に、JP-MIRAI矢吹代表理事から、JP-MIRAIとしても、長崎県との覚書は、自治体と締結する第1号であり、非常に重視しており、長崎県での連携活動をモデルとして、同様の課題意識を有する自治体との協業を目指していきたいと述べて、セミナーを締めくくりました。 

JP-MIRAIでは、長崎県内企業への動画教材アカウント提供の他、パイロット企業への相互理解促進のコミュニケーション研修、ワークエンゲージメント調査などを実施する予定です。 

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