11月17日(木)午後4時~6時にて、JP-MIRAI 責任ある外国人労働者受入れのための研修会シリーズ「在留外国人支援の基礎講座 ‐北海道における外国人支援の発展と協働を目指して‐」を開催しました。北海道札幌市を中心に北海道内及び全国で外国人支援に係わる方・関心のある方、計66名(JICA北海道(札幌)会場11名、オンライン参加55名)にご参加いただきました。今回の研修会は、外国人労働者や外国人住民が散住する傾向がある北海道地域において、外国人受入れのための地域コミュニティの在り方を考える機会として実施しました。なお、本研修会は北海道庁の後援を頂き、開催しました。
第一部 外国人の受入れと「ビジネスと人権」
・多文化共生社会の実現に向けた取組の方向性
北海道 総合政策部 国際局国際課 多文化共生担当課長 池田和明様より、北海道の多文化共生推進の取組みと課題、今後の方向性についてご講演頂きました。特に、今後の取組みとして、日本語教育体制整備や地域連携の促進、より細やかな相談体制づくりにより、北海道内で広域に散住する外国人住民の方々が安心して働き暮らせる環境の実現を目指すことが示されました。参加者の方からは、行政の目指す方向性が明快にわかり、参考になったとの声がありました。
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・JP-MIRAI相談センター概要
JP-MIRAI共同事務局から、JICAの多文化共生の取組みや、外国人労働者の受入れに関する調査結果(リンク)の内容についてご紹介した後、JP-MIRAI事業、特に外国人の方のための相談・救済窓口についてご説明しました。
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第二部 在住外国人支援の視点から考える「やさしい日本語」
非営利活動法人国際活動市民中心コーディネーター(出入国在留管理庁「話し言葉のやさしい日本語の活用促進に関する会議」委員)新居みどり様から、外国人相談事業の経験から見えてくる「やさしい日本語」の意義についてご講演頂きました。
冒頭、外国人への日本語教育の必要性とあわせて、日本人側も「やさしい日本語」を使うことによって、コミュニケーションが容易になる可能性があることをお話頂きました。そのうえで、「やさしい日本語」の役割や、日本語教育、他の通訳サービスとの関係性、「やさしい日本語」を実践する際のポイントについて解説をして頂きました。
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第三部 事例検討ワークショップ&外国人の基礎知識
このセッションでは、引き続き新居様のファシリテーションのもと、事例検討のワークショップを行いました。会場及びオンライン共に5名程度のグループに分かれて、各事例への対応方法や姿勢について参加者が意見を交わしました。
今回のワークショップでは、外国人住民にコミュニティのルールを伝える方法をテーマとした事例を扱いました。外国人受入の制度面からのご意見もあれば、まずは話をしてみること、特に必ずしも外国人住民の母国語が分からなくても、「やさしい日本語」によってコミュニケーションが取れるのではないか、といったご意見もありました。
最後に
本研修会は、「やさしい日本語」を通じて、職場や地域などの近しい距離にいる外国人の方とのコミュニケーションや、支援の方法について考えを深めて頂くことを狙いとしました。研修会を通じて、北海道の取組みや「やさしい日本語」を主題として扱い、更に参加者間で対話して頂くプログラムとすることで、参加者の皆様にも意見交換に積極的に参加頂き、理解と実践が組み合わさった研修会となりました。今後、北海道地域における外国人受入れの更なる活性化を目指して、JP-MIRAIも地域の皆様と共に引き続き活動していきます。