【実施報告】責任ある企業行動セミナー~日本繊維産業連盟および日本政府のガイドラインから考える企業の行動~【2022年11月24日】

2023年02月08日

2022年11月24日(木)、JP-MIRAI(責任ある外国人労働者受入れプラットフォーム)は、オンラインセミナー「責任ある企業行動セミナー~日本繊維産業連盟および日本政府のガイドラインから考える企業の行動~」を開催しました。当日は、JP-MIRAI会員および非会員の方66名が参加されました。

日本繊維産業連盟の「繊維産業における責任ある企業行動ガイドライン」と、日本政府の「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン」は、下記ウェブページよりダウンロードが可能です。
・日本繊維産業連盟「繊維産業における責任ある企業行動ガイドライン」
https://www.jtf-net.com/download-center/
・日本政府「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン」
https://www.meti.go.jp/press/2022/09/20220913003/20220913003-a.pdf

【基調講演 】
基調講演では、日本繊維産業連盟の副会長・事務総長の富吉様より、「繊維産業における責任ある企業行動ガイドライン」をご紹介いただきました。
デュー・ディリジェンスのプロセスにおいて重要な三つのポイント(①コミットメント、②ステークホルダー・エンゲージメント、③人権課題の確認と優先順位付け)を強調されました。また、デュー・ディリジェンスの進め方をPDCC(Plan, Do, Check and Communication)を回すこととし、それぞれについてご説明いただくとともに、「繊維産業における責任ある企業行動ガイドライン」と他ガイドラインとの違いや特徴をご説明いただきました。

資料はこちら

【パネルディスカッション】
<パネリスト登壇者>
・国連開発計画(UNDP) ビジネスと人権リエゾンオフィサー 佐藤暁子様
・帝人フロンティア株式会社 環境安全・品質保証部 部長 岡本真人様
・JICA国内事業部/弁護士法人Global HR Strategy 代表社員  杉田昌平様
・日本繊維産業連盟 副会長・事務総長 富吉賢一様
・JICA 理事長特別補佐  宍戸健一(モデレーター)

国連開発計画(UNDP)ビジネスと人権リエゾンオフィサーの佐藤暁子様には、「指導原則が企業に求める行動 日本政府のガイドラインの意義 UNDPによるビジネスと人権プロジェクト」というテーマでお話をいただきました。
日本政府のガイドラインは国内外のサプライチェーン全体で人権DDを進める際、指導原則に加えて共通の指針として活用することが期待されていることに加え、日本企業において特に課題として認識されているステークホルダーとの対話を進める基盤となることをお示しいただきました。また、現在UNDPが日本政府の支援により行っている、ビジネスと人権のプロジェクトの内容についてもご紹介いただきました。

次に、帝人フロンティア株式会社 環境安全・品質保証部 部長の岡本真人様より、「CSR調達への取り組み」をご報告いただきました。
CSR調達管理におけるPDCAの回し方や、CSR調達基準書が国際的人権基準に基づき制定されていることをお話しいただきました。また、2019年より開始した「ゼロフィー・プロジェクト」と呼ばれる、送り出し機関が手数料を徴収しないスキーム構築についてもご説明いただきました。

JICA国内事業部・弁護士法人Global HR Strategyの杉田昌平様からは、移住労働者の脆弱性についてお話いただきました。
移住労働者の脆弱性を作り出す要因を特定し、可能な限りその要因を取り除くとともに、脆弱性の存在を認識し、それを利用しない/利用させない仕組みを作ることが大切であることに加え、企業による人権尊重として、コンプライアンスとは別に人権をどこまで守るのか方針を立て、方針の中でコミットするものを決定し、各国の送り出し費用に関し対応することが求められていると、ご意見をいただきました。

その後、国際基準に沿って策定されたガイドラインにより、企業はどのようにアクションに結び付けていくべきかということについてパネルディスカッションを行いました。
中小企業や家族経営企業、地方産業で人権を守る取り組みを進めることは世界各国共通の課題であり、具体的にどのような取り組みが求められているのかということを地道に伝えている事例として、UNDPとタイ政府が協働して各地方で実施しているワークショップについてご紹介いただきました。また、人権の取り組みに正解があるわけではないため、プリンシパルに則り企業としてどのように積極的な判断、取り組みをするかを定め、その判断に対しステークホルダーと対話をし、必要があれば変化させていくことが重要であることを確認しました。
また、「繊維産業における責任ある企業行動ガイドライン」はサプライチェーン管理にこだわらず、個々の企業が人権を守る観点で策定されている点が高く評価されていることや、日本政府の「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン」が策定されたことにより、それが日本の公的基準であると企業が国内外の取引先へ説明し、協力していただける取引先が増えることへの期待が示されました。
技能実習生による送り出し費用負担をゼロにする「ゼロフィー・プロジェクト」や、社会労務士の活用についても議論されました。
最後に、経済の力を使って、ガイドライン遵守を含む「いいこと」をすればメリットがあるという土台をつくることへの期待や、人権の取り組みは長期的な投資であり、現在は、元々外部化していたものを内部化している過渡期であるという考えが共有されました。最後に、経済の力を使って、ガイドライン遵守を含む「いいこと」をすればメリットがあるという土台をつくることへの期待や、人権の取り組みは長期的な投資であり、現在は、元々外部化していたものを内部化している過渡期であるという考えが共有されました。

国連開発計画(UNDP) ビジネスと人権リエゾンオフィサー 佐藤暁子様の資料はこちら

帝人フロンティア株式会社 環境安全・品質保証部 部長 岡本真人様の資料はこちら

JICA国内事業部/弁護士法人Global HR Strategy 代表社員 杉田昌平様の資料はこちら

当日はJP-MIRAI会員を含む66名の皆様にご参加いただきました。
セミナー終了後のアンケートでは、「業界は異なるものの、実務的で具体的なお話を伺うことができた」「引き続きセミナーなどで人権DDの最新動向などについて発信してほしい」といったお声を頂戴しました。
また、「ガイドラインを浸透させる方法として認証制度を導入するという手がないか」というお声もいただきました。JP-MIRAIでは現在認証制度の具体的な検討を進めており、今後もマルチステークホルダーの皆様と議論をしながら取り組んでまいります。
今後、JP-MIRAIでは新しい活動として、社会労務士の皆様との勉強会の実施を検討しています。

ご参加いただいた皆様、登壇者の皆様、誠にありがとうございました。

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