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活動レポート

2025.7

バングラデシュ訪問記 
活動レポート

JP-MIRAI事務局は、2025年7月12日から15日にバングラデシュを訪問し、政府や送出機関、国際機関等と日本への人材送出しの現状や課題について意見交換を行いました。 

バングラデシュの送出し事情 

2024年12月の法務省データによると、日本におけるバングラデシュ人労働者は、技能実習1,736人、特定技能441、技術・人文・国際業務6,916人であり、増加傾向です。一方、関係者からは、日本での人手不足が伝えられる割には、日本からの求人は伸びておらず、特定技能を目指して、6か月の日本語教育修了者やN4合格者も多数待機しているとの指摘もありました。 
バングラデシュの送出機関の体制は、海外居住者福利厚生・海外雇用省(MEWOE)の管轄のもと、 

  • 民間の認定送出機関:約90社(日本向け) 
  • 政府の直接送りだし(技能実習のみ) 
  • 政府系送出し機関:BOESL(Bangladesh Overseas Employment and Services Ltd .) 

の3つのパターンでの人材の送出しが行われています。また、BMET(職業訓練局)傘下には、110の職業訓練センター(TTC)があり、いくつかのTTCでは日本向けの民間企業・団体との連携により、建設や外食の人材育成を行う取り組みが進められていました。 

建設分野の事前研修の様子

MEWOE(海外居住者福利厚生・海外雇用省)との意見交換 

7月15日に、MEWOEのNeyamat Ullah Bhuiyan次官と面談。同氏は、ムハンマド・ユヌス暫定政権顧問による「年間10万人を日本へ送出したい」との発言に触れ、 是非実現させたいと非常に前向きな意欲を示しました。同氏は、日本への送出し拡大には、日本語学習の強化が不可欠であるとし、日本語センターの設立の設立構想や、日本人教師の派遣など日本側の関係者への期待が述べられました。  

また関係部局には、JP-MIRAIの取り組みについて説明を行いました。

ノースサウス(NS)大学訪問 

日本にIT人材を送り出している、NS大学を訪問しました。同大学は、日本の宮崎関係者及びJICAとの連携によりICT人材の日本語教育や就労支援を行っていますが、「日本での就労を希望する学生は、IT人材のみならず、工学系の人材も数多くいるので、今後は日本への送り出しを拡大したい」と意欲を示しました。 

JP-MIRAIの取り組みについては、「NS大学では日本語を学ぶ学生が多い一方、日本の最新情報が十分に届いていないため、JP-MIRAIポータルは重要な取り組み。また、日本到着後の支援(JP-MIRAIアシスト)はついてもありがたい。学内でも普及したいので、大学での講演してほしい。」との反応でした。 

最後に、NS大学は、2025年11月には他大学の学生も参加するキャリアフェアを開催予定で、約200社・3,000人の学生が参加見込みであり、是非、JP-MIRAIや日本の関係者の訪問を期待するとメッセージがありました。 

 

国際機関(ILO、IOM)事務所との意見交換 

ILO(国際労働機関)は、ダッカでのラナプラザでの悲劇や中東やマレーシアへの送出しにおける深刻な課題に対応するため、様々なプロジェクトを実施しており、今後、JP-MIRAIとの連携に期待が寄せられました。 

また、IOM(国際移住機関)では、移住労働者の出発前の採用手数料・関連費用の聞き取り調査の結果として、サウジアラビア(約3,500USD)やマレーシア(約4,000USD)と比べ、日本は5,000USD程度と高額であり、日本への送り出しが本格的に拡大する前に倫理的なリクルートの取り組みを進めるFERIは重要であるとの発言がありました。 

JP-MIRAIとしては、今後、会員や関係者の皆様のご意見も伺いつつ、バングラデシュでの活動を進めていきたいと考えています。 

>>JP-MIRAIが取り組むFERI(倫理的リクルート)について