JP-MIRAI Portal

外国人のための総合サイト

JP-MIRAI Portal

外国人のための総合サイト

活動レポート

2025年上半期JP-MIRAI会員フォーラム(第一部:急増する外国人労働者のセーフティネットの現状と課題)
活動レポート

7月4日に開催されたJP-MIRAI上半期会員フォーラムには、約80名が参加し、第一部では、急増する外国人労働者のセーフティネットの現状と課題をテーマに、全国各地で外国人支援に携わる5名の方及び出入国管理庁にご登壇いただきました。

■第二部のレポートはこちら

日越ともいき支援会 吉水 慈豊 氏  
「現場から見える課題と可能性 ~責任ある受け入れとは」

ベトナム人技能実習生や留学生の命と人権を守る活動を展開している。SNS相談、生活支援、妊産婦支援、日本語教育、帰国支援など、多面的な取り組みを行っている。制度のはざまで孤立する人々を支えるには、各支援団体の連携、多職種連携が欠かせない。特定技能2号での家族帯同が増える中、全国的な支援の連携が必要である。現状ではSNSで相談を受けても地域ごとの対応が追いついておらず、支援の空白地帯も多い。若い支援団体の芽をつぶさず、資金面でも後押しする仕組みが必要である。また、若い外国人には紙の案内よりTikTokなどの動画の方が届きやすいため、当事者の利用するツールで発信することが重要である。孤立を防ぎ安心して暮らせる社会の実現には、支援団体をつなぐプラットフォームの構築が鍵になると考える。
発表資料

MDST (Multicultural Diversity/Disaster Support Team) 明木 一悦 氏
「これまでの外国系住民へのサポート ~相談と支援の事例

行政や地域と連携しながら、外国系住民の生活困窮やDV、出産、帰国困難など多様な相談に対応している。言葉や文化の違いを超え、心に寄り添う存在こそが支援の要であり、地域に根ざした「駆け込み寺」のような支えが求められている。地域だけでは解決できない課題は多く、外国系住民の支援においては地域住民への丁寧な説明が不可欠である。AI翻訳や多言語対応を活用しつつ、行政や民生委員、地域支援員と連携することが支援体制の強化につながる。また、同化型と独立型という共生のスタイルそれぞれに対し、どう支援を届けるかも重要な視点である。制度の壁に加え、文化的距離や立場の違いが相談の障壁になることから、相談しやすい服装や姿勢も意識しなければならない。今後は、互いに支え合う新たな協働の在り方が問われている。​
発表資料

浜松国際交流協会(HICE)松岡 真理恵 氏
「外国人セーフティネットの現状 ~浜松からの報告」

浜松市では、これまで35年にわたり在住外国人とともにつくる多文化共生の街づくりを進めてきた。事業としては浜松市より委託を受けて国際交流協会が多言語相談や日本語教育、メンタルヘルス支援、受入れ社会側の啓発事業など多面的な取り組みを展開している。外国人のセイフティーネットの観点からは、ソーシャルワーク研修や外国人ライフステージ講座などで共助を担う外国人コミュニティを育てることでセイフティーネットを厚くすることも意識して行っている。ただ、外国人コミュニティは頼りすぎることもできないし限界がある。今後、セイフティーネットの観点から必要なことは、市や国際交流協会の事業など公助の中に例えば外国ルーツで在住外国人の文化・言語・社会的背景のわかる人材がソーシャルワーカーとして活躍してもらうなどが必要だと考えており、人材の育成も行っている。
発表資料

ワールドフレンズ天草 俣野 智子 氏
「外国人セーフティネットの現状・課題について」

天草市唯一の外国人支援団体として、就労支援や日本語教室、相談窓口など地域に根ざした支援活動を展開している。交通の不便さや専門機関の不足、狭いコミュニティによるプライバシーの欠如など多様な課題があり、経済的困窮や社会的孤立、DVや未成年の妊娠など深刻な相談も増えている。広域のため行政だけでは対応困難な場面も多く、同行支援が求められることもある。外国人の困りごとに寄り添う中で、日本人も同じく困っている現状が明らかになってる。実際に雇用主の声を行政に届け、市営住宅への外国人入居が実現した事例もある。外国人が都会に転職する理由の一つは「寂しさ」であり、地域で自然に笑い合える場を作ることが重要だ。日本人には「外国人は危なくない」と伝え、外国人には「私たちは助けたい」と届けることが共生の第一歩である。外国人と日本人を分けず、同じ市民として支える姿勢が大切だ。
発表資料

輪島市社会福祉協議会 山路 健造 氏
「能登半島地震における外国人も含めた輪島市の見守り・相談支援について」

能登地震後の輪島市では、外国人住民も含めた地域支援が進んでいる。高齢化と人口流出が進む中、技能実習生らが仮設住宅で暮らしながら地域の支え手となっている。文化イベントやアンケートも行う中で、外国人は地域を元気にする存在だと実感している。今後は 相談体制や情報提供の強化が求められている。相談窓口がなかった地域で、人との関係づくりを重視し、民生委員や老人クラブと連携し、孤立防止の仕組みの整備を進めている。顔の見える関係や日々のあいさつこそ共生の第一歩だと考える。外国人採用が欠かせない社会の中、日本語教育、相談体制、情報提供の社会インフラ整備が必要だ。能登のような人口減少地域では、休眠預金やJICA海外協力隊経験者の力も活用し、交流人口増加と支援の輪拡大を目指す。
発表資料

入管庁在留支援課 松瀬 和樹 氏
「外国人セーフティネットの現状・課題について」

出入国在留管理庁は外国人の受入環境整備の取組のとして、受入環境調整担当官の配置、外国人支援者ネットワークの構築支援、外国人生活支援ポータルサイトや生活・就労ガイドブックなどを通じた情報提供機能の強化を進めている。  ​
特に、外国人支援者ネットワークの構築支援に関しては、受入環境調整担当官を中心として各地域の関係機関と連携しながら、外国人が安心して生活・就労できる環境整備の構築を推進している。​
日本人と外国人がともに、安全・安心に暮らすことができる共生社会の実現には市民団体や外国人コミュニティーとの連携が不可欠であると考えており、出入国在留管理庁としても地域の関係機関などと協力し環境整備に努めているが、今回の議論を通じて地域特有の課題があると再認識した。​
今後もさらに地域の関係機関との連携を深め、現場の課題を的確に把握し、必要な支援に結びつけていく意向である。
発表資料

 

まとめ(モデレーター:JP-MIRAI宍戸)

今後、外国人労働者の数が、現在の2倍や3倍となることが予想される中で、私たちが何をするべきかという議論を行ないました。共通していた点は、「外国人に寄り添い心理的な安全のある支援を行っていく必要性」だと思います。そのためには、①外国人コミュニティーなどに直接リーチして支援援活動を行う団体の支援、及び②支援者間のネットワークを構築していく活動が重要だと思います。今後、JP-MIRAIとして皆様との連携を深めて、誰も取り残さないセーフティネットを作る取り組みを進めていきたいと思います。​