ILO181(1998)では、「派遣労働者からの斡旋手数料徴収禁止」が謳われており、外国人労働者からは渡航前にリクルート費用を徴収しないのがグローバルスタンダードになりつつあります。国内においても、来日前に背負った借金を返済するため受入れ先のどんな労働環境にも耐え、特にコロナ禍では受け入れ先の倒産後も借金返済のため帰国せず失踪へと追い込まれた技能実習生の姿が大きくメディアで取り上げられました。その後、技能実習から育成就労への制度見直しと並行して訪日前の費用負担をゼロにする先進的な取り組みを行う企業・団体も増え、JP-MIRAIでも事例紹介行うとともに、2022年11月「ゼロフィー分科会」を立ち上げ具体的な取り組みについて議論を続けてきました。
ゼロフィー(費用負担ゼロ)によって外国人材が働き始める前から弱い立場に陥らせない、適正な受け入れを実現するためには、送り出し国の関係省庁と受け入れ国の関係省庁による課題の共有と取り組みにより、信頼できる送出機関や監理団体、受け入れ企業が選ばれ生き残るような制度構築が必要です。
まずは、ベトナムから来日前に費用を徴収しないグローバルスタンダードの移民労働者のリクルートの実現するための自発的な枠組み(VJ-FERI)の構築を目指します。2023年7月、ベトナム海外労働局(DOLAB)=ベトナム海外労働者派遣協会(VAMAS)=ILO=JICA/JP-MIRAIの間で、合意が成立し、VJ-FERI制度実現へ動き始めました。
また、インドネシアは政府の要望に応じ、VJ-FERIの取組みを参考に、インドネシアと日本間での手数料ゼロの倫理的リクルート(FERI)制度実現のため構想を進めています。
参照リンク:
2021年6月24日付「技能実習生『手数料』問題研究会」(全4回)実施報告
2022年11月4日JP-MIRAIゼロフィー分科会設置のお知らせ
2024年1月〜 | JP-MIRAI「ゼロフィー(手数料ゼロ)分科会」継続 JP-MIRAI会員の分科会メンバーよりベトナム、インドネシアからの外国人材が負担する手数料ゼロ化制度構築への意見の収集 |
---|---|
2024年4月 | ベトナム政府・送出し機関向けの外国人材の手数料負担ゼロ実現のためのガイドライン案作成(JICA-ILO) JP-MIRAIによる国内受入れ企業・監理団体向け外国人材の手数料負担ゼロ実現のためのガイドラン案作成(JP-MIRAI) |
2024年6月~ | ハノイのワークショップ(ベトナム政府、JICA、LIO、JP-MIRAI共催予定)にてVJ-FERI制度内容決定と承認 |
2024年7月~ | VJ-FERI運用用オンラインアプリ完成 |
2024年9月~ | VJ-FERI運用開始・登録、情報交換アプリリリース |
2025年~ | VJ-FERIを参考に、インドネシアでの制度構築 |