「責任ある外国人労働者受入れプラットフォーム(JP-MIRAI)」は、「技能実習生『手数料』問題研究会」(全4回予定、公開・リモート開催)を開始した。来日前の技能実習生が送出し機関等に多額の手数料(100万円以上の事例あり)を支払う実態があり、国際社会から債務労働と指摘され、日本国内で失踪に至る一因とされている。本研究会では、有識者や当事者からの多角的な情報をもとに、まず実態や背景を把握し、本問題について解決に向けて議論することを目的としている。
第1回(4月27日(火))は、「国際社会の動きと日本の労働者受入れ制度・課題」と題して、3名の有識者がプレゼンを行い、メディア10社を含む227名が参加した。
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来日前に技能実習生が支払う「斡旋手数料」はILO条約に違反であるが、送出し各国は条約を批准していない。SDGs含めて国際社会において「ビジネスと人権」への注目が高まっている。
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一般に「手数料」と言われているものには、送出し機関や仲介者に支払うものまで様々なものがあり、プロセス全体の実態や課題を把握した上で、コンプライアンス遵守すべき。また、最近越政府(査察局)が「高額な手数料」を問題視しており、是正勧告が出されている。
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「手数料」は、フィリピンのゼロから、ベトナムの100万円前後まで国により実態が異なる。失踪者からの聞き取り調査によれば、手数料(本国での借金)が多い方が失踪に繋がりやすい点、情報の非対称性により来日直後の失踪(がっかり失踪)もみられ、原因を良く分析した上での様々な取り組みが必要と指摘。
プレゼン後、参加者から多くの質問が寄せられ、登壇者からの回答により参加者の理解を深めた。参加者層は民間企業、監理団体/登録支援機関、送出し機関、人材紹介会社、関係省庁、メディア、研究者/学生、行政書士/社労士、NPO等幅広い層からの参加があり、同問題に関する関心の高さが伺えた。
今回の研究会の発表資料と一部の動画は、今後JP-MIRAIのウェブサイト上で公開を予定している。また、事後アンケートの結果は今後の研究会やJP-MIRAIの活動を進める参考にしていく。
今後、第2回(5月18日(火))、第3回(6月1日(火))では、送出し機関や日本の民間企業等当事者らも登壇し、実態を明らかにした上で、第4回(6月15日(火))で、ステークホルダーによるパネルディスカッションで解決に向けた議論を行う予定。
以上
別紙:プログラム詳細
*第1回「技能実習生『手数料』問題研究会」の開催実施報告(PDF版)はこちらからダウンロードできます