国際的な大企業(ブランド・ホルダー)を中心に、その製品やサービスの生産と市場への提供に関わる全ての生産現場(工場)から部品や原材料の調達先、流通・販売網の隅々にまで「労働者の人権保護」に目を配る「サプライチェーン管理」の国際基準を満たすための真剣な取り組みが広がっています。
欧州ではサプライチェーンの中で労働者の搾取が発覚した商品はEU域内の市場から撤収するという指針が決定され、SDGs(例:目標12「つくる責任つかう責任」)への理解と関心の高まりから、若者を中心とした消費者に環境破壊や人権侵害の疑いのある企業の製品やサービスは確実に選ばれなくなりつつあります。
日本のブランド・ホルダー企業もまさに死活問題、待ったなしで成果を上げるべき課題として「サプライチェーン管理」に取り組んでいますが、国内のサプライヤーと異なり、日本国内向けの労働法規や基準が通用せず、労働問題(児童労働、強制労働など)への理解や防止への法制度が進んでいない特に開発途上地域のサプライヤー管理への取り組みに大きな課題を感じているとのことでした。
この日本のブランド・ホルダーが抱える課題の解決をサポートするため、JP-MIRAIは開発途上地域にて「サプライヤー管理」の分野で高い取り組み実績のある海外NGO(ISSARA Instituteなど)や国際機関(国際移住機関:IOMなど)と協力し、対象となる国に広がるそれらNGOや国際機関の拠点事務所や協力市民団体のネットワークを活用し、日本のブランド・ホルダーがサプライヤーの生産や原料調達行動に人権違反行為がないかモニタリングする取り組みを支援するパッケージを提供する準備を進めています。
2024年1月 | JP-MIRAI「海外サプライチェーン(SC)管理分科会」設立 (1/31第1回会合開催) |
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2024年2月~ | ・同分科会参加企業からの海外SC管理支援への要望調査(対象国/地域や内容) ・JP-MIRAI会員向け海外SC管理支援パッケージ作成 |
2024年7月~ | ・海外NGO、国際機関との連携協定順次締結 ・JP-MIRAI会員企業への海外SC管理への支援提供開始 |