【実施報告】一般社団法人国際パートナーシップセンター(IPC) / JP-MIRAI / JICA中部共催セミナー ~現場の声から学ぶ、外国人材定着のためにやるべきこと~【2024年10月31日】

2024年12月02日

去る10月31日、JP-MIRAIは、JICA中部および一般社団法人国際パートナーシップセンター(IPC)との共催で、外国人労働者の定着促進に向けたセミナーを開催しました。本セミナーでは、新しく導入される育成就労制度の概要と、すでに外国人材を受け入れている2社から取組みの事例を紹介し、参加者から多くの関心が寄せられました。また、参加者同士の活発な交流も生まれ、今後の課題や取り組みについて意見交換が行われました。

 ■開催概要

日時:2024年10月31日(木) 16:00-17:45

会場:JICA中部(オンサイト開催)

参加者:外国人材受入企業・受入検討企業、関係団体、行政機関等、約50名

■開会挨拶

愛知県労働局  就業推進監 森英輝氏

愛知県労働局就業推進監の森氏は、愛知県において深刻な人手不足が続く中、外国人材が新たな労働力として活躍できるよう、相談窓口の設置や受け入れ支援を行い、伴走支援も提供していると述べました。また、本セミナーは外国人材の定着について現場の生の声を聞く貴重な機会であるとし、今年度はさらに育成就労に関するセミナーや個別相談会も実施していることから、今後も県として外国人材の雇用促進に積極的に取り組んでいく姿勢を示しました。

公益財団法人国際人材協力機構(JITCO)名古屋駐在事務所 

尾関伸浩氏

JITCO名古屋駐在所長の尾関氏は、日本で働く外国人材の増加傾向に触れ、日本や愛知を選び企業で働く外国人材が長期にわたり活躍できるよう支援することが重要な課題であり、大きな挑戦であると指摘しました。また、今回のセミナーを通じて情報交換を行い、有意義な時間を過ごしてほしいと参加者に期待を寄せました。

■JP-MIRAI理事 宍戸健一 「外国人労働者定着に向けた取組(最新動向)」

育成就労制度の導入に向け、日本国内の外国人労働者の現状と課題が共有されました。外国人労働者の受入数は2023年10月時点で過去15年で4倍に増加しており、今後も途上国の若者に選ばれる魅力的な国であることが求められています。また、滞在期間の長期化といった対応策が必要とされ、送出し国の調査からは生活の質やキャリアアップなど労働者の満足度向上が人材定着の鍵であるとの指摘もありました。JP-MIRAIは、こうした課題に対してさまざまな取り組みを進めており、特に「公正で倫理的リクルート(FERI)」を通じて来日前の手数料問題の改善に取り組み、その意義が紹介されました。

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■社会福祉法人紫水会 鈴木智雄氏 「外国人技能実習生の成長と定着を目指して」

紫水会は、名古屋エリアを中心に20の福祉施設と4つの保育施設を運営しています。令和2年から受け入れを開始した技能実習生には、入職時に将来の安定や介護職のやりがいを感じられるような研修を実施しています。また、特定技能1号に移行した実習生には、住居やインフラ環境の整備、障害保険の加入など「将来の安定」を見据えた支援体制を通じて、外国人材の成長と定着を目指した取り組みについて説明がありました。

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■有限会社織笠工業 折笠佑也氏 「しくじりから得た企業の取組み」

有限会社織笠工業は、6年前から建設事業においてミャンマーからの外国人技能実習生を受け入れています。日本語教育に加え、日本の文化や歴史の理解を深めるためのサポートも提供し、ロールプレイやメンタルケアを取り入れています。2期生の受け入れ時に生じたトラブルから得た教訓を基に、課題解決に向けた具体的な取り組みを進めています。同社では、外国人材を単なる労働力としてではなく、日本社会の成長に貢献する存在と捉え、彼らの背景を活かす活動をご紹介いただきました。

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■ディスカッション

取組紹介を受け、各自が外国人材定着に向けてできること、取組みの課題など、グループ内で具体的に話し合い、優先順位をつけ、グループごとに発表いただきました。

 

■参加者の皆さまからの声

・2社の実例がとても勉強になった。受入れ企業側が自社の責任として、育てる意識を持つ重要性を感じた。

・外国人労働者を労働力確保ではなく、一人の人間として、社会を構成する一市民としてとらえる考え方に共感しました。育成プログラムが確立されていて、素晴らしい。

・(外国人材の)将来に対する目標を示すとやりがいを持てる。

・送出し機関、監理団体、受入れ企業が三位一体となることが大事。

・外国人材を受け入れていかなければならない必要性をより分かりやすく説明してほしい。

・実際受け入れている企業様のプレゼンはとても良かった一方で、まだ受け入れていない企業様や現状受入れで困っている企業様の参加がもっと多ければと感じました。

・是非今後も事例紹介や参加者様とのディスカッションができる、今回のようなセミナーを開催して下さい。

・交流での気づきや学びが、改めて多いと感じました。交流の場を継続していただけると良いと思います。

JP-MIRAIでは、今後もパートナーの皆さまと共に、外国人材の受入れ・定着に関する企画を推進してまいります。地域での取り組みの共有や課題解決に向けて、協力いただける方や団体の皆さまは、ぜひ事務局までご連絡ください。

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